彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「ビビんなくっていい。」

「瑞希お兄ちゃん・・・・・」

「ビビってるのは・・・俺の方だからよ。」

「え?」




ビビる?

怖がる?

瑞希お兄ちゃんが??




(瑞希お兄ちゃんが怖がるって・・・!?)




「そ、それ!どういう意味で―――――!?」

「着いたぞ。」




私の言葉に被るように、鋭い声がした。

同時に、車がゆっくりと止まる。




「獅子島さん・・・!?」

「皇助、頭をすらせ。後ろが見えん。」

「へーへー、ぶつけんなよ!」

「伊織、俺も横から見るわ。」




獅子島さんの指示に、ど真ん中に座っていた百鬼が体を片側に寄せる。

烈司さんが窓を開け、顔を出して背後を見る。

眼鏡のお兄さんも、首だけを後ろに向けて車を動かす。





ピーコン、ピーコン!





車がバックする音が響く。

それよりも気になったのは、私の肩に触れる瑞希お兄ちゃんの手。

力を込めて、つかんでくるので少し痛い。

こんな風に肩を抱かれたことがないので、戸惑った。





(どうしたの?何が怖いの?)





「降りようぜ。」





車が駐車できたところで烈司さんが言う。

その言葉通り、獅子島さんも、百鬼もさっさと降りた。

そして私の隣にいるモニカちゃんも・・・



「凛ちゃん、降りて。」



ドアを開きながら言った。





「みーちゃんと降りてね。」


「えっ!?」





いつもなら。

いつものモニカちゃんなら。




(『一緒に降りて♪』って言うと思ったのに・・・・!?)




戸惑いながら彼女を見れば、作り笑いしながら顔を近づけてくる。





「凛ちゃん、気持ちが顔に出やすいのね・・・でも、総長になるなら、それはNGよ・・・。」





そうつぶやいて、私の額にキスしてから車を降りた。




(どうなってるの・・・・!?)




モニカちゃんからのチュウは、事故だと考えるようにしていた。

でも、今日はどこかおかしい。





(てか、瑞希お兄ちゃんの前で、またチュウされた!)




「み、瑞希お兄ちゃん!」


(違います!今のは、浮気じゃないです!)





そう思って、彼へと振り返れば―――――



「凛。」

「っ!?」




あの時の目。





――キスってーのは・・・・・こういうの・・・・――



この真面目な表情は――――






(―――――――――――ファーストキスをした時と同じ!!?)





なにかある。

ただならぬなにかがあると感じた。