彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




翌日、瑞希お兄ちゃんの家に来た私は驚いた。




「どうしたんですか、この車?」

「ホンダのフリードだ。」




そう告げるのは、車のキーを持って堂々としている獅子島さん。

その隣には、苦笑いの瑞希お兄ちゃんがいた。




「よく来たなぁ~凛!待ってたぜ?」

「そ、そんな!瑞希お兄ちゃんのためなら、いつでも駆けつけます!」

「だったら、あと30秒早く来るべきだった。念には念を入れてで、10分前行動が常識だぞ?」

「細かいぞ、伊織!!」




腕時計ならまだしも、ストップウォッチを見ながら言う眼鏡に、瑞希お兄ちゃんが怒鳴ってくれた。




(9分30秒って・・・・私、10分前に来れてなかったの!?くそ~次は、10分ピッタリか、それより前に来てやる!)




〔★凛も凛で、変な対抗心を燃やしていた★〕




「たく、世間では5分前行動だろうが!?凛、気にしなくていいからな?」

「あ、ありがとうございます・・・!それはそうと、その車・・・」




気にしなくていいと言うのなら、その話題はそこで終わりだけど、他に気になることがあったので聞いた。




「あの・・・その車は、ガレージにありましたっけ?」




カバーをしてあるので、どんな車かわからないけど、ガレージにあるみんなの車の中に、この形はなかった気がした。

それにストップウォッチをしまいながら獅子島さんが言う。




「いいや、レンタルカーだ。」

「レンタル?」

「今日は、大勢で出かける。6人乗りとなると、借りるしかないからな。」

「え?出かけるんですか?」




来てから聞かされた本日の予定。




「そういうこと。そんなに遠くまではいかないけどな。」




そう言ったのは、大好きな瑞希お兄ちゃん。




「つーことで、凛も来たから行こうぜ。」

「あ・・・」




にっこりと笑うと、私の腕を引いて車へと進む。





(手を握ってくださるなんて・・・幸せ!)





そんな思いでついて行っていれば、その途中で瑞希お兄ちゃんはお店の中に向かって叫んだ。