彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「どうした、凛?俺に聞きたいことがあったんじゃないのか?」

「な、なんでもございません!!」

「そうか?なんか・・・顔赤いけど平気か?」

「え!?ああ、きっと、ココアのおかげで体が温もったんですよぉ~~~!」

「ふーん?ならいいけど・・・それよりさ、この前はごめんな。」


「えっ!?」

(この前!?)




いつのこと!?と聞く前に瑞希お兄ちゃんが言った。




「オメーが円城寺に弁当届けて、尾村たちを地獄へ送った日のことだよ。」

「ええ!?」




その言葉で、心臓が痛くなる。




「ど・・・どういう意味でしょうか・・・・!?」




バクバクする心臓を抑えながら聞く。

これに瑞希お兄ちゃんは、少し黙った後で言った。





「いや・・・・・・店でさ、宴会しただろう?あれ、あの時、凛と二人だけになった時さ・・・」


「!!!!?」




生まれて初めて、声にならない叫びを出した。




(お、覚えてる!!?)




記憶にあるうえで、私にアクションかけてる!?

心なしか、赤い顔で、視線を合わせてくれなくなりましたが!?

まさか!?

これはまさか!?





(私とキスした記憶がある系ですかぁ―――――――――――!?)


「凛。」

「は、はい!」




覚えていないなら、黙っておこうと思った。




「あのさ・・・」

「はい・・・!」




『万が一』、覚えていても・・・今の私達は男同士。

私が何も言わなきゃ、彼も何も言わないと思っていた。

心のどこかでは、そのことをきっかけに、私を意識してくれて、本当の私に気づいてくれればなんて、夢見ていたけど・・・・!!




「俺さ・・・酒飲むと、結構、ヤンチャしちゃうんだ。」

「や、やんちゃ・・・ですか・・・!?」

「ああ。だから、凛・・・これ、あくまで俺の予想なんだけどさ・・・」



(どんな予想!?)




ドキドキしながら、彼の答えを待つ。

少しだけ赤くなった瑞希お兄ちゃんに、期待と不安がダブルパンチで私を攻める。




ジャンジャンジャーン♪


「え!?」

「あ。」




すべてが最高潮に来た時、その音が響いた。




「わりぃ、メールだ。」

「そ、そうみたいですね。」




苦笑いし、スマホを取り出す瑞希お兄ちゃん。

それに私は、作り笑いで答える。




(誰よ、こんな時に!?場の空気を読めない奴は!?)




〔★凛はメール送信者へ怒りを向けた★〕