彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



名前が晒(さら)された『奴』に、メンチをきりながら問いただす。




「いくら、多少の無茶はアリとはいってもカンナを人質にするとはどういうことだ!?」

「なっ・・・なんだよ!女に暴力振るうのは最低だって言いたいのか!?」

「そこじゃねぇよ!!貴様は、大河とタイマンを張りたいと言ってきただろう!?正々堂々の一対一で!それであいつ1人を行かせたわけだが・・・どういうつもりだ?」

「どうとは?」

「お前が万が一にも、大河を倒したとしても、人質を取ったタイマンなど、便所の虫以下のクズだ!!羅漢はいつから弱虫になった!?」


「あんだと吾妻!」

「言わせておけば―!」



「だからなんだ?」






怒る羅漢のメンバーを制しながら、庄倉は言う。





「お前それ、本当に俺からの呼び出しだったのか?」

「なに・・・!?」

「俺は名前を使われることが良くある。おまけに、お前らをよく思ってない連中は多い・・・!」

「てめぇ!庄倉ぁ!!」

「困るなぁ~濡れぐぬを着せるのはよぉ~・・・!!」

「貴様・・・!!」





奴の言う通りだった。

電話での呼び出しは証拠にならない。

履歴も、非通知だったので・・・公衆電話から掛けたのだろう。





「嘘ついてんじゃねぇぞ!大河は、絶対に庄倉本人だったって言っんだよ!?」

「悠斗。」





それは間違いない。

間違いないと言ったのだが・・・




「証拠は?」

「なに?」

「俺だっていう証拠見せて見ろよっ!!」

「そりゃあ、大河本人が話したから―――――――――」

「ああー!?じゃあ、その大河出せよ!呼べよ!証拠出せや!!」





近くに止めてあった、羅漢の誰かのバイクを蹴り飛ばしながらメンチを切る庄倉。




「聞いた本人が来なきゃ、話になんないだろうが~?なぁ長谷部悠斗君?」

「こ、この野郎・・・・!」

「やめろ、悠斗!」




歯ぎしりする悠斗の気持ちは痛いほどわかる。


奴は知能犯。


そう簡単に、吠えずらかかせられない・・・!











〈いいえ、庄倉愛雄(しょうくらまなお)本人で間違いないです。〉


「「へ?」」

「なっ・・・!?」














そう言ったのは、庄倉が手にした携帯だった。