彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「僕を倒すのが、出世への昇級試験なんでしょう?どなたからでもどうぞ。」

「くう・・・」

「うう・・・」




いいよと言ってるのに、誰もかかってこない。

それどころか、教室中で起こっていた喧嘩も止まっている。

みんな私を見たまま動かない。

注目されてる気がして、ちょっと恥ずかしい。

照れ隠しもあったので言った。




「呆れたものですね・・・散々、尾村への忠誠を口にしておいて。僕のような小動物相手に、大勢で襲っておきながら・・・そんなんだから、オメーらダメなんだよ。」


ダン!!


「「「ひっ!?」」」





戦闘態勢のまま、聞き足を上げて床を叩く。

それで悲鳴を上げる尾村の仲間達を、睨みつけながら言った。





「誰が悲鳴あげろって言ったっ!?『漢』なら、雄叫び上げてかかってくるくれぇの根性見せろやっ――――――――!!!」





自分の声が耳の中で反響するぐらい、大きな声を出した。

視界で、反射的に耳をふさぐ生徒の姿が映る。





「・・・・・・・・カッコいい・・・・・」




誰が言ったのかわからない単語。

それでやっと、ヤンキー達は動き出した。




「な、なめてんじゃねぇぞ!このクソガキ!」

「普通、自分で自分のこと小動物って言う奴がいるか!?」

「ここにいます。」

「「「「「ああいえば、こういう!!」」」」」




正直に答えれば、地団太を踏む尾村の仲間達。

のびている羽柴達を足で踏み越えると、私へと近づきながら言った。




「よくも俺達のメンツをつぶしてくれたな、凛道蓮!?学校への殴り込みだけじゃ飽き足らず、円城寺と組んで俺らをつぶそうって腹か~!?」

「殴り込みなんてしてないです。僕は円城寺君に、お弁当届けに来ただけですよ?」

「黙れ!まとめてかかるぞ!」




そう言って、私の話を聞かないで襲ってくる。