彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




『爆裂弾』は、円城寺大河を中心とした少数精鋭集団。

その中に高千穂カンナという女子もいるが、俺達は同等だと考えてる。

カンナも弱音を吐かないので、『女を武器』にするような戦い方はしていない。

逆に、人質目当てに狙って来る馬鹿達を、叩きのめすいい手段にはなっていたが・・・






「今夜は、あの『龍星軍(りゅうせいぐん)』の後継者を決める試合だぜ?余裕で、寝坊でもしてんのか?カンナちゃんの隣でよぉ」


「てっめぇー!!」





庄倉の言葉で悠斗の表情が厳しくなる。









「マジでいい加減に~!!」



「いい加減に黙れ。」









怒鳴りかけて悠斗の言葉を別の声が遮った。


それで悠斗だけでなく、庄倉も俺もぎょっとする。






「見苦しいんだよ、オメーらは。時間きてからもめろ。」

「百鬼(ももき)さん!」







そう言ったのは、仏頂面の大男。






「百鬼(ももき)、皇助(おうすけ)、さん・・・!」






いたのは、今回の決戦に欠かすことのできない大物ヤンキーだった。




「小競り合いはやめろ。まだ、円城寺が来ないってわけじゃねぇだろー?」

「百鬼さん!」

「俺は、円城寺をそれなりに知ってる。途中投げする半端者じゃねぇ。」

「・・・もちろんです、百鬼さん。」

「吾妻もこうやって大人しくしてんだ。長谷部、あんまり短気にどなるんな!うっとうしい。」

「うっ・・・す、すみません・・・!」




百鬼さんの言葉に項垂れる悠斗。

それを見て口元だけでそっと笑う庄倉。

これに、背を向けながら百鬼さんは言った。





「庄倉も、小技で人を陥れてんじゃねぇーぞ!頭悪く見えてるわ。」

「えっ!?」




ぷっ!


さすが、百鬼さん!


長年、トップで上に立ってきたものは違う。






「い、いやですね!勘弁してください、百鬼さん!」







歪んだ顔で笑顔を作りながら、庄倉は俺達から離れて百鬼さんについていく。

奴が離れたところで、俺は悠斗に声をかけた。






「早く来てくれればいいな・・・百鬼さんはご機嫌ななめだ。」

「俺もだぞ?」

「お前はいつもそうだろう。あんまり、挑発に乗るなよ。」

「わーてるよ。今夜は大事な日なんだからな・・・」

「ああ・・・」





今夜、筋金入りの町中のヤンキーが集まっていた。

これから行われる継承式を見るためにだ。