彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「無理だよカンナさん。気が引けちゃう・・・」

「はあ!?さっきまで、去る気満々だっただろう!?」

「その気持ちは消え去りました。」

「上手いこと言ってんじゃねぇ!!」




そう言ってプンスカ怒るカンナさん。

その背後に人影。




「馬鹿女!男なめるなよ!」

「あ!?」


「―――危ない!」





バットを持ったまだら髪が、カンナさんの頭部を狙う。

とっさに、近くの椅子を掴んでぶつけた。




ガン!


「うわっ!?」

「くぅ・・・・!?」




椅子と金属バットがぶつかる音。

バットの振動で動けない敵に―――――




「女の子を狙うな!!」

「ぎゃっ!?」

「凛!?」




カンナさんを私の後ろに隠し、素早く相手を蹴り上げた。

パコッといういい音で、襲ってきたヤンキーがあおむけに倒れる。




「大丈夫カンナさん!?」

「おま・・・ホント、なんて言うかなぁ~」




安否を聞けば、なぜか嬉しそうに笑う。




「何してんだコラー!?」




そこへ罵声が飛ぶ。




「か、可児さん・・・。」




例の五分刈りの男。

今攻撃してきた奴の側に駆け寄ると叫んだ。





「何してくれてんだ、テメー!?」

「そ、そうだぜ!あいつ、俺を椅子で殴ってきやがった!」

「あ~ん!?」




仲間の言葉に、すごい形相でやって来た。

喧嘩は避けられないと思ったので、とりあえず、カンナさんを背後にかばってから言った。





「なにって、叩いて防いだだけだよ?・・・・悪い?」

「てめ!なんだその言い方!?」


「・・・・・お前こそなんだ!?」





私の言葉に、椅子で叩いた奴が文句を言う。

ムカついたので言い返した。




「わざわざ女の子を狙って、襲うってことが気に入らない。」

「ああ!?ケンカを前に、男女があるかよ!?それこそ、女って立場を利用して、男相手にケンカ売るってことの方が卑怯だろう!?」

「そうですね・・・!カンナさんも円城寺君も、喧嘩になれば男も女も関係なしと考えています。カンナさんは、漢と喧嘩して、怪我してもいい覚悟でやってます。」

「凛。」


「だからこそ、お前が気に入らねぇ。」




私を見つめるカンナさんの前で、ヤンキーらしく言い放った。