彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「馬鹿女!凛から離れろ!」

「巻き込まれるぞ!?」

「いや、もうよけきれない!巻き込まれる!」






カンナさんの言葉に、長谷部君と吾妻君がそれぞれ修正する。






「凛道っ!!」

「――――――――わかってます。」





私を呼ぶ円城寺君にうなずく。

そして、涼子ちゃんを庇う形で抱きしめた。





「凛君!?」

「凛!?」

「まさか!?女をかばって、攻撃を受ける気―――――――――!?」


「えい。」





掛け声を出して、『それ』をつかんで引いた。






ガラガラ――――――――ピシャッ!!


ガッツンン!!




「ぶああっ!?」

「「「「「えっ?」」」」」







尾村のうめき声と、みんなのびっくりしたような声が響く。






「だから来ないでって言ったでしょう?」






左手に涼子ちゃん、右手に引き戸を持った状態で私は言った。





「ドアの側にいるんだから、普通しめるでしょう?」





ドア越しに、ガラス窓に張り付いた状態の尾村に語り掛ける。

机を持ちあげて、飛びかかって来た時は困った。






「し、閉めた――――――――!?」

「ドアを閉めて、尾村もしめた!?」

「いろいろ上手いじゃねぇかオメー!?」





円城寺君と長谷部君と吾妻君の褒め言葉が中から聞こえる。



ドア越しにもわかる作戦成功♪




(うまくタイミングを計れるかどうか、心配だったけど・・・。)





逃げれないこともなかったけど、よけたら他の人にあたる。

だからと言って、私が犠牲になったら私が痛い。

そう考えた結果。





「お、お前!凛道!!尾村の攻撃が当たる直前で、ドアを閉めて盾代わりにしやがったのかぁ―――――!?」

「円城寺君、大正解♪」




教室の中から絶叫する円城寺君。

それに、「ちょっとすみません~」と、断りを入れて窓際に割り込みながら答える私。




「タイマンてね、周りの人を巻き込んで怪我させたらダメだって、瑞希お兄ちゃんも言ってたから。」

「凛道お前・・・!」

「ひ、卑怯だぞ小僧!」

「だまし討ちだ!」





これに、尾村の仲間から非難の声が上がる。

だから、言ってあげた。





「何言ってんですか、3年生の先輩方。僕はちゃんと言いましたよ。『近づかないでください』って。それに、先に武器を使ったのはそっちです。」

「ううう!?」

「い、言い返せないっ!!」





〔★完璧な正当防衛発言だった★〕