彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「いろいろと、うっとうしいので教室から出てこないでください。」


(こんな馬鹿にかまっていたら、瑞希お兄ちゃんとの時間がいくつあっても足りいないよ。)


「第一、僕は円城寺君の得物を横取りする気はないです。」

「っ!?凛道、お前・・・!?」





円城寺君が私の名前を呼んだけど、今は答えてる場合じゃない。

一刻も早く、この馬鹿との話を終わらせなければ。




(瑞希お兄ちゃんとの愛の時間を守るためにも・・・!)


「僕と戦う前に、東山の勢力争いを収めるのが先でしょう?順番が違います。」

「ふ、ふざけんな!だったら、なんで俺と戦った!?オメーから先に仕掛けてきただろう!?」

「いいえ。僕は、瑞希お兄ちゃんに対して不届きな輩(やから)を、『無礼打ち』しただけです。」

「無礼打ち!?侍気取りかテメー!?」

「長い間、安定したナンバーワンの地位にいてボケたんですか?この業界じゃ、先にコナかけた方がアウトでしょう?」

「ぐっ!?」

「おや、言い返せないんですか?少しは、自分に不利な状況がわかってるみたいですねぇ~・・・!?」

「こ、この野郎~!」

「時間です。」




言い返せない相手に、教室の時計をのぞきながら告げる。





「話はこれで終わりです。もう近づかないでくださいね。僕の側に来たら、全力で拒みますから。」


(・・・・とは言ったものの、この人引き下がらないかもしれない・・・)





昔の人は言った。

備えあれば、憂いなし。

そんな気がしたので、それなりに構えはしていたら。






「おもしれ~!!やってみろぉ――――――――!!」




案の定、敵は引き下がらなかった。

それどころか、






「うりゃああ!」

「え?」




尾村は武装した。




「死ねクソガキ!!」




誰かの机を掴んで持ち上げる。





「え?」

「あ!?テメー!?」

「道具は卑怯だろう!?」

「うるせぇ!!」






円城寺君の指摘を無視して、机とセットで私に飛びかかってくる尾村。

おかげで・・・





「きゃあ!?」

「涼子ちゃん。」





涼子ちゃんが悲鳴を上げて抱き付いてきた。