彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「マジかテメー凛道蓮!!?」

「マジだよ~円城寺君♪」

(そう!瑞希お兄ちゃんとのラブラブタイムが待ってるのだ~!)




〔★恋は盲目とは、よく言ったものである★〕




「ま、待てよ凛!」




ルンルン気分で手を振りながら伝えれば、目を丸くしながらカンナさんが聞いてきた。




「帰るって、お前!そんな理由で・・・!?」

「やだな~カンナさん!『そんな理由』じゃなくて、『それほどの理由』だよ~!国産お肉のハンバーガーが美味しいカフェなんだって~えへへ!」

「安全も確認済みかよ!?ヤンキーらしからぬ場所だな、オイ!?」

「やだな~カンナさん!瑞希お兄ちゃんは元ヤンだよ~?じゃあまたね、カンナさん!円城寺君と長谷部君と吾妻君も、バイバイ!涼子ちゃんも、ありがとう。」

「お、おい!?」

「バイバイって・・・!?」

「凛道お前・・・」

「マジ・・・?」

「え・・・えーと、凛君・・・!?」





円城寺君達に手を振り、ここまで案内してくれた女子生徒の名を口にする。

その姿へ視線を向けて、ふと思う。




(そういえば、涼子ちゃんのお弁当・・・)




机がぐちゃぐちゃになった教室を見渡す。

目印を探す。




(確か、机の横のカバンにかけてるって―――――・・・・)




ふと、窓際に向きづで寄せられていた机が、荷物が目に留まる。





(あった。)



「凛!?」

「なにしてんだ、オメー!?」





目的の品を見つけ、手に取る。

さっきまで、円城寺君のお弁当を運んでいた。




「見っけ。」




そうつぶやいて、猫のバッチがついた手提げを持つ。

そのまま、トコトコと歩いて教室の出入り口まで進む。

そして、座り込んでいる涼子ちゃんの前に腰を下ろす。





(あーあ・・・床に座ると、制服汚れちゃうのに。)



「はい、涼子ちゃん。」

「え!?これは・・・!?」

「約束通りお弁当だよ。」





手渡ししてから、手を引いて立たせた。




「きゃ!?凛君!?」

「直に座らない方がいいよ。ヤンキーのために、無駄遣いもしちゃダメだよ?」

「凛君・・・」

「バイバイ。良いお昼休みを。」




親切な子に笑顔で別れを告げる。