彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



恥ずかしがっている(?)円城寺君に、素直じゃないと思いながら言った。




「照れなくて大丈夫だよ!お腹すくとイライラするもんね?」

「阿保か!オメーにイライラしてんだよ!?」

「でも、もう大丈夫だよ。僕が持ってきたのは、麗子さんの愛情がたっぷり入ったお弁当だからね~!残さず食べるんだよ?」

「れ・・・!?おいいい!?人の母親フレンドリーに呼んでんじゃねぇぞ!?いつ、うちのババアと知り合った!?」

「今日だよ。バイクの前に飛び出すヒッチハイクをしてたんだ。病院からも脱走して来たって言うし・・・あ!円城寺君、念のため病院で検査した方がいいよ?マイコプラズマチェック?」

「なんだそれ!?いろいろ、気になる要素満載じゃねぇか!?」




円城寺君の返事に、そうかもしれないと思う。

そんなことを考えていれば、





「りん、君・・・・」





かすれる声が私の名前を呼んだ。

声のした方を振り返れば、赤い目が私を見ていた。




「涼子ちゃん。」



道案内してくれた女の子。

ドアにもたれかかって、今にも座り込みそうだ。



呆然とする涼子ちゃんを見て、彼女の存在を思い出す。




(いけない!ヤンキー同士のにらみ合いの中で放置して、悪いことしちゃった!)


〔★凛もそのヤンキーの1人である★〕





「大丈夫、涼子ちゃん?」

「は、はい・・・!」

「あん?オメーうちの生徒と知り合いか?」




私が涼子ちゃんに声をかければ、円城寺君がびっくりしたように聞いてきた。




「オメー、その女子を知ってんのかよ?」

「うん、そうだよ。彼女、すごく優しくていい子なんだ。」

「はあ!?おま・・・手ぇ出したのかよ!?」





円城寺君にそう答えれば、そんな声と一緒に、ドタドタと足音が響く。

音のした方を見れば、





「あ♪カンナさん!」



ヤンキーフレンド1号のカンナさん。

寄ってきてくれたことを嬉しくて、彼女に向き直れば―――――




「凛、どういうことだっ!?」

「ぐえっ!?」




笑顔で応(こた)えたのに、凶暴な顔で胸倉をつかまれた。