彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




(誰がアバズレ?)





アバズレって、お前・・・女の子に使う言葉だろう?





(なんで、瑞希お兄ちゃんの名前の前にそれをつける?)






お前それ・・・

誰が、女みたいに身売りで・・・はあ!!?






(――――――――――キレそう。)






単純にそう思った。

なにがなのかわからない。

例えるならば、尾村の言い放った言葉で、私の空想の中に存在するヒモが切れかかっているということ。

ピンと張っていた一本の線が、ブチブチと、少しずつ削れていく。






(これはあれなのかな?瑞希お兄ちゃんへの悪口・・・なのかな?)






大勢の人の前で、誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)してるけど。

かろうじている冷静な感情で考えていれば、その答えを円城寺君が出してくれた。







「尾村っ!!真田さんへの侮辱は、殺されても文句ねぇな~!!?」






さなださんへのぶじょうく





はい、回答いただきました~






(・・・今のはやっぱり・・・やっぱりじゃなくて、瑞希お兄ちゃんへの悪口だった・・・・!?)






そう理解できた瞬間、どす黒い何かが心を覆う。


ひどく神経が澄み渡って、体が軽くなるような―――――・・・・カンカク。






「オメーらみたいな三下ヤンキーが、瑞希さん語ってんじゃねぇぞ・・・!?」

「へっ!イカレ信者が!オメーも、瑞希さんにやらせてもらったのかよ!?」




(~~~~やらせてもらってるだぁ~~~~!?)





なにを?

だれが?

R18か?

18禁?



(・・・そう言ってんのかぁ・・・・テメー・・・・!?)





「こりゃあ、いよいよ、瑞希嬢の体はいいと見た!仲間におかまもいるチームのどこが良いんだか~!?」

「・・・。」




(そうみたいだねぇ・・・・・!!?)







尾村の言葉でそう結論付ければ、あっさりと空想の中のヒモがキレた。








(ソウトワカレバ、ハナシガハヤイ・・・!!)








その判断に合わせ、体が切り替わる。

やけにさえた頭は、私を静かな気持ちにしてくれた。

どう言えばいいのかわからないけど、例えるなら、手動だったものが自動に変わるような感じ。

鎮(しず)まる感情に合わせ、体の中の無駄な力が抜ける。

手足を伸ばし、軽いストレッチをする。