彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




確認したわけじゃないが、多分、自転車で引きずっているのは庄倉本人だろう。

散々卑怯なことをした悪い奴。

なので、良心はあまり痛まなかったけど・・・




「い、痛い!やめて!とめて・・・!」





情けない声を出しながら頼まれれば、止めないわけにはいかない。





「そんなこと言っても・・・あれ!?ブレーキが利かない・・・!?」






何とかしてあげようとして、両方のブレーキを、ブレーキコードが引きちぎれる勢いで握った。






ギィィィィィイイイ!!





これで自転車は、いい音を出す。

でも、状況はよくなかった。






「わっ!?」






急ブレーキをかけたことで、体が投げ出された。








ズザザザザザザーーーーーーーン!!



「い、いやぁあああああああ!?」







円城寺君ごと放りだされ、なんとか彼をかばう。


一緒に地面を転がる。


転がる私達と並行して、でこぼこの人間じゅうたんの上を走っていた自転車は・・・










ガタ、ゴロ、ガタ、ガッシャーン!!








宙で数回回った自転車は、どこかへと落下した。





ドスン!!


「げぶ!?」






誰かの上に落ちたらしい。

上を向いて回る前輪の動きが視界に映る。

自転車の行方を見届けたところで、体への回転も止まった。







「うう・・・痛った~・・・・・!!」






全身に走る痛み。

なんとか、身を起こして体中を触る。

幸い、骨折や大きなけがはなさそうだった。





(た・・・助かった・・・・?)





恐る恐る、自分が飛んできたであろう場所を見る。

意外と高かったガードレールの道。







(よ、よかった!親にばれるような怪我も負ってない!?)






さすが瑞希お兄ちゃん!






(ありがとう、瑞希お兄ちゃん!!私を守ってくれて!!)






実際は、体に身に着けた楔帷子(くさりかたびら)のおかげだったが、感情の高ぶっていた私はそうは思わなかった。





(瑞希お兄ちゃんのおかげで助かりました!本当に、ありがとうございます・・・!!)






だから私は、生きている喜びを感じながら、再会できていない瑞希お兄ちゃんに感謝した。