彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


「まだ、殴り合いにはなってないけど、血の雨が降るのは時間の問題よ。」

「・・・凛君、どうする?」





どうしようかと思っていたら、不安げに涼子ちゃんが提案してきた。





「届ける相手の名前を教えてくれれば、私が代わりに忘れ物渡してあげますから。」

「でも・・・涼子ちゃんのお弁当もあるのに・・・」

「私のことは気にしないで!お昼は購買でパンを買うからいいですよ。無理して・・・地雷地帯に足を踏み入れることないからね?」

「え?地雷原と同じなの?」

「そうよ!先生達だって、尾村センパイの仲間が足止めしてて、こっちに来られないみたいで・・・!」





私の質問に、涼子ちゃんの友達が答える。

それにため息交じりに涼子ちゃんが言う。





「そっか・・・だから、雑賀先生もいないのね。」

「え?雑賀?」





覚えのある名前。

声に出せば言われた。






「はい。雑賀先生って言うのは、この学校の生活指導の先生で、4組の担任です。」

「生活指導って~・・・・!?」




(間違いなぁ――――――い!あの人だ・・・・!!)



〔★さっきまで、お茶をすすった間柄だった★〕



「ヤンキー同士の揉め事には、真っ先に来てくれるのに・・・来ないってことは、尾村先輩の仲間が、雑賀先生を引き留めてるのかも・・・・・・。」

「・・・!」



違う!

引き止めてるのヤンキーじゃない!



(元ヤンですよ~~~~!!)



〔★元教え子でもある★〕



(まずいよ!ここが瑞希お兄ちゃんの母校だってわかったことは、お兄ちゃん情報が入手できてラッキーだったけど~)



現実はアンラッキー!!




(瑞希お兄ちゃん、私の帰りを待ちながら生活指導室でお茶してるはず!雑賀先生も、まだまだ話したりなさそうだったから、おしゃべりしてる可能性大だわ!!)




そうなったら、当分は・・・・




「来ないかもしれない・・・」

「やっぱり!?やっぱり、凛君もそう思う?雑賀先生も、ヤンキーに足止めされてるって思いますよね~?」

「思います。」




思うというよりも・・・




「なかなか・・・動けないんじゃないのかな・・・引き止めているというか・・・きっと、(久しぶりの再会で)話し込んでるはずだから・・・」




(瑞希お兄ちゃんと・・・ね。)




〔★涼子達は言えない裏事情★〕
〔★凛は精一杯ごまかした★〕