彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




自転車の二ケツで特攻をかけた私。

それに集まっている集団に動揺が走っていた。




「こ、こっちにくるぞー!?」

「よけらんねぇー!」





慌てる奴らの中へ、止まれない私達が飛び込む。






「しょ、庄倉さん危なっ・・・!!」


(庄倉?)






数人が、1人の男を庇う動きを見せた。

携帯を持って立ち尽くしていた男。






(庄倉って・・・羅漢の!?)





さっきまで私が話していた相手で、今回の騒動の原因ね!?




(円城寺君達をこんな目に合わせて、私まで巻き込んだ悪人!?)





ムカムカする思いで相手をにらむ。








「うっぎゃああああああああ!?」









これに疑惑の男は、私を見ながら叫ぶ。


それで気づく。









(も、もしかしてヤバい!?)




「きゃああああああ!?」



(結構速いスピードでぶつかっちゃう!?)













庄倉らしい人物に、予想外の速さで接近しながら叫ぶ私。





「おおおおおおお!?」





その様子を、目を丸くして見つめる大男が視界に入った。

それの存在を確認した時、






グシャン!!


「「「ひいぃいいいいい!!」」」




「うっ!?」






私の運転する自転車は、庄倉にぶつかる前に、彼を庇っていた羅漢のメンバー達を引いた。





「痛てててて!!」

「うぎゃー!?」

「ひーかーれーる!!」



「ぎゃあああ!気持ち悪い感触―!!」





乗り上げて、上下に揺れる自転車の動きに顔をしかめる。

一度の落下で、スピードが緩むかと思った自転車だったが、減速しない。





(やばい!ブレーキ、ブレーキ!!)





そう思って、ハンドルを握る前に、人間クッションでバウンドした自転車が前上がりになった。

その前輪が、大男の側で固まっている庄倉に直撃した。









ドドーン!!



「ぐふっ!?」


「げっ!?」






・・・・狙ったわけではないが(当たればいいとは思ったけど)、庄倉の胸板に直撃する。






「あ。」






その様子に、間の抜けた声を出もらす大男。








「うっ・・・あああああああああ!?」







そんな彼の横を、私は風を切って爆走する。

それも、携帯を握ったままの庄倉付きで駆け抜けた。






「ぎゃ!?ぎゃっうげ!」

「わ、わ、わ・・!」






人を巻き込んでいるのに、自転車は止まらない。