彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


(なんかこの子・・・・)




「・・・似てるね。」

「似てる?」

「そうだよ・・・。」



(私に似てるかも・・・・)





瑞希お兄ちゃんは別だけど、私の周りの不良に対しては、そういうイメージだった。

同じようにグレてる者同士なら、フレンドリーだけど、そうじゃないのが話しかけると邪険にされる。

宿題のプリント回収をするために声をかけたら、「あっ?」とか言って威嚇(いかく)された。





(まぁ・・・それ言ったら、ヤンキーがそうじゃない子に話しかける時も、引き気味だったけどね・・・)





だから、この子の気持ちがわかった。

自分の中の、何かとリンクした気がした。





「あの・・・誰に、似てるんですか?」





自己完結で考えていれば、その考えのきっかけになった子から言われた。





「ああ、うん・・・・俺の知ってる子。君ほど、『良い子』じゃないけどね。」





誤魔化すようにして笑ったら、変な顔をされた。





「私も・・・いい子じゃないですよ。」

「そうなの?僕よりはマシだと思う。」

「・・・・あなた、不良じゃないんですか・・・?」

「え?あ~・・・・どうかな・・・・」


(ここでヤンキーだと言うのは、まずいかな?)


「もしかして、ヤンキーが嫌いなの?」

「え?嫌いって言うか・・・苦手って言うか・・・あまり、いい思い出がなくて・・・」

「・・・そっか。じゃあ、怖いよね?」





どうやら彼女は、トラウマがあるらしい。

気まずそうに答えるその顔を、少し安心させてたくなったので言った。





「ありがとう。」

「え?」

「ヤンキーに見える俺に付き合ってくれて。やっぱり、君はいい人だよ。小林さん?」

「え!?どうして私の名前を!?」

「名札見たんだ。」

「あ・・・!?」





胸元のネームプレートを指させば、顔が真っ赤になる。

その様子に、純粋な子だと思って見ていれば、うつむいてしまった。





「あ、ごめん!ちょっと、フリーダムすぎたかな?」

「・・・・です。」

「え?」





よくない対応だったかもしれないと声をかけたら、か細い声で言われた。





「こ、小林、涼子です・・・!」


(こばやしりょうこ?)


「あ・・・君の名前?」

「はい・・・1年4組、小林涼子です・・・」





自己紹介をしてくれた。

どうやら、警戒は解かれたらしい。