彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




1年4組の生徒だという女の子の案内で廊下を歩く。

行きかう生徒の視線は相変わらずだけど、それもあと少しで終わる。

手にしたお弁当を渡せば、お役目終了!





(早く終わらせて、瑞希お兄ちゃんとのLOVEイベントを再開しなきゃ!)


「弟さん、ですか?」

「え?」





そんなことを考えていたら聞かれた。

隣にいたナビゲーターさんに。





「中学生・・・ですか?お兄さんかお姉さんが、4組にいるの?」

「え!?」


(中学生?そんなに幼いかな?)




というよりも~・・・



「そんなに中学生っぽく見える・・・?」

「え!?ごめんなさい、違ったの!?『小柄』だから、つい・・・」


(ああ、そういうことね。)





返ってきた返事に納得した。





(『男子』として見れば、私の背は低いからね・・)





それは間違えるでしょう。


なによりも―――――――





「高校生は、学校だと思うし・・・近くの中学校が、創立記念日で休みだから・・・そうなのかと思って~・・・」

「うん、そうだね。」





普通の高校生は学校の時間だもんね。





「ごめんなさい!私、失礼なことを・・・!」

「いえ、気にしないでください、あなたでなくても間違えます。よくありますから・・・。」

「ホントに、ごめんなさい・・・えっと、お名前は・・・?」

「え?あ~・・・・名乗るほどの者ではありませんよ、ははは。」

「あ・・・・私になんか言いたくないですよね。」





やんわり断ったつもりだけど、彼女は引っかかる言い方をする。

作り笑いしながら言う姿。





(ムゥ・・・・そんなつもりじゃなかったんだけどなぁー・・・)





そう思ったので言ってしまった。





「凛。」

「え?」

「凛って、言うんだ。みんなそう呼んでる。」

「・・・・凛、君?」

「そうだよ。別に、君が嫌だから言いたくないとかじゃないよ?むしろ、俺みたいな初対面に親切にしてくれるいい子だから。」

「え!?ご、ごめんなさい!あなたが・・・不良っぽかったから・・・私みたいな、真面目っ子と話したくないんじゃないかって思って、つい・・・・」

「え?」





それで思わず彼女を見る。

目があった瞬間、あれ?と思った。