「凛、お前はここに何しに来た?」
「な、何って・・・?」
「大河に弁当届けるんだろう?早く行ってきな。」
私から視線をそらすと、ドカッと椅子に座る瑞希お兄ちゃん。
そのまま、テーブルに置かれていたお茶を飲み始める。
「早くしなと、カフェのランチタイムが終わっちゃうぞ。」
「え!?あの・・・・」
「早く行って来い、四代目。ちゃーんと、待ってるからよ・・・」
「うっ!?」
さっきまでの怖い顔が嘘のように、甘く柔らかい笑顔で言う愛しい人。
(それ、反則だぁ~~~!!)
頬が熱くなるのを感じながら、手にしていたお弁当箱を抱きしめる。
「す、すぐ戻りますから、ちゃんと待っててくださいね!?」
「どーかな~?凛が遅いと、置いてくかもな~?」
「遅くならないです!ダッシュで行って帰ってくるから!」
そう伝えて、駆け足でドアへと向かう。
「あ!コラ!廊下は走るなよ!?」
「わかってます!これは、早歩きです!」
注意する教師にヘリクツで返事をして、ドアを閉めた。
閉まる瞬間、瑞希お兄ちゃんと目が合う。
目元だけで、にやりと意地悪く笑う。
(~~~~~~なによ、あれ~~~~!?)
ガラガラ、ピシャッ!!
一杯くわされたような、損した気持ちになる。
それがなぜかわからない。
言葉にはできないけど・・・・
「惚れられたもの勝ちなのかも・・・・!」
瑞希お兄ちゃんにゾッコンな私が、彼に勝てる日がくるのか?
(妄想する分にはいいけど、リアルでは実感できない・・・。)
そう思いながら、足早に円城寺君のクラスへと向かった。


