彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





(あれは『羅漢』じゃない!?)








さっき見た趣味の悪いジャケットを着た者達がいた。





(あそこだ・・・・・・!!)





本能的に着地地点を決める。





「な、なんだー!?」

「あいつ!工場の駐車場に続く道から、ガードレールを飛び越えてきたのか!?」

「おお!確かに、あそこから飛んでくれば、普通に道路を通るよりも時間が短縮されるな!!」

「感心してる場合ですか、百鬼さん!?」

「突っこんでくるぞー!!」





そう言っている声は、さっきまで電話口で聞いていた声色と同じ。








(あいつらかぁぁぁぁ・・・・・!!)







「見ーつーけーた―――――――――!!」





チリンチリーン!






私の声と他人の悲鳴が混ざる。

そこへ、合掌するようにベルを連ちゃんした。








「「じ、自転車!?」」

「バイクじゃなかったのかよ――――――――――――!?」






これに、私ではなく、私の乗っている乗り物に注目が集まる。







「自転車でぇ――――――――す!!」






チリン、チリン、チリン♪






そうです。


私が乗っているのは自転車です。

あの時公園で、私が見つけたもの。

選んだ交通手段。








「これ、レンタル自転車じゃない!?」






私がいた周辺では、観光地整備とエコが盛んにおこなわれている。

その影響で、公園や町中に無人のレンタル自転車を設置していた。

借り方は簡単で、その場で登録手続きをすればすぐに使える。

お金は取られるけど、好きな場所で借りて、好きな場所で返却をしていいので便利。

だからバイクに乗れない私は、円城寺君を運ぶ手段として『自転車』を選んだのだった。