「いや・・・悪口で言ったんじゃない。」
私達の言葉を受け、苦笑いしながら雑賀先生は告げる。
「まんま、『子供』だと思ってな・・・」
「こ、子供!?」
そう言うと雑賀先生は、机に置いていた自分の分の湯呑を手にする。
「そいつだろう、お前らの後釜(あとがま)?」
「だったら、なんすか?」
その言葉で、和んだ空気が一変する。
「俺のところまで、噂が届いてるぞ?えれープリティなガキに4代目継がせたって。」
「まだデビューさせてねぇよ。」
「何言いやがる!羅漢の頭を変えて、毒蝮をつぶしたそうじゃねぇか?」
「え!?羅漢はともかく、毒蝮は違いますから!俺達が、被害者です!」
「被害者だぁ~?」
間違って伝わっている話を訂正すれば、ギロッとにらまれた。
「被害者も何もオメー・・・バイクで人、はねといてそう言えんのか?」
「うっ!?そ、それは・・・」
「おまけに、パトカーにタックルまでしたそうだな?どこが被害者だ~!?」
「ううう!」
(否定できない!)
「先生!凛を責めるな!」
返事に困ってオロオロしていれば、隣から瑞希お兄ちゃんが助け舟を出してくれた。
「なんだ、瑞希?こいつの弁護士しようってのか?」
「そうだ!」
「瑞希お兄ちゃん!?」
(私を、私をかばってくれると言うの!?)
「凛がはねたのは人じゃない!社会のクズだ!」
「そういうフォロー!?」
「いや、性根はそうかもしれないが、人間ではあるだろう?」
「あと、はねたのは凛だけじゃない!俺が先だった!」
「もっとよくねぇだろうが!?どういうかばい方だお前は!?」
(・・・ホント、そうかも・・・・)
堂々と言う瑞希お兄ちゃんに、漢らしいと思う半面、とても切なくなる。
〔★あまり助けになっていない★〕


