彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「ちょっとーそれが久しぶりに会った人へのあいさつか、オメーは?」

「はいはい。ご無沙汰っす、麗子さん!つーか、どんだけ危ないヒッチハイクしてんすか?」

「しゃーないじゃん!手ぇ振っても気づいてなかったんだから、飛び出すしかないだろう?」

「いや、気持ちはわかりますが、飛び出すのはやめた方がいいですよ?」




(DQNじゃないけど、DQNとあまり変わらない・・・)




「へぇ~優しいね、凛ちゃんは?うちの大河とは大違・・・ゴホゴホ!」

「あ、大丈夫ですか?」

「どうしたんだよ、麗子さん?えらい咳じゃんか?」





苦しそうにする女性に、慌ててバイクから降りる私達。





「大丈夫ですか?咳の風邪ですか?」

「麗子さん、のど飴あるけど食べる?」





2人がかりで背中をさすり、気遣えば、彼女はせき込みながら言った。





「ゴホゴホ!ごめんね・・・ケホ・・・!実は、大河の奴が、弁当忘れて学校へ行きやがって・・・ゴホゴホ!」

「え!?」

「お弁当を届ける途中だったんですか?」

「うん・・・ゲホゲホ!」





苦しそうに咳き込む円城寺君のお母さん。

それで私と瑞希お兄ちゃんは顔を見合わせる。

お互い、何を考えてるかわかった。

瑞希お兄ちゃんが首を縦に振ったので、私はその考えをお声に出した。





「あの、円城寺君のお母さん。」

「麗子さんって呼んで。」

「れ、麗子さん。あの~俺達が代わりに、お弁当を届けましょうか?」

「え!?いいの?」





途端に、目を輝かせる円城寺君の母改め、麗子さん。

私の手を両手で握りながら言った。





「悪いわ~そんな~凛ちゃん、学校があるんじゃないの~」

「あ・・いえ・・今日は、サボってますので・・・・」

「つーか、最初からそのつもりで、誰か通るの待ってたんじゃねぇの?」





この様子に苦笑いしながら瑞希お兄ちゃんが言う。





「仮病ってわけじゃなさそうだから、引き受けてやるよ。弁当出して。」

「とげのある言い方ね~瑞希は?はい、蓮ちゃんよろしく。」

「え?僕?」

「そーよ!同じ渡すなら、若い子が良いだろう~?」

「テメー病人じゃなきゃ、張り倒してるぞ・・・・!?」

「ほっほっほっ!できないこと口にするんじゃないよ、女に優しい漢~?はい、凛ちゃん受け取って~」





そう言うと、紺色の袋に入った弁当箱を渡してきた。