彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「それぐれー頼もしいって意味だよ。俺から言っといてやるから!」

「ええ!?お気遣いなく~!!」

「遠慮すんなって、決定~♪」

「そ、そんな・・・!」





ご機嫌に言う瑞希お兄ちゃんの言葉で悟る。

これはもう、取り消しが聞かないと。





(トホホ・・・瑞希お兄ちゃんに習うはずが、獅子島さんとの家庭教師契約になってしまった・・・・)


「というよりも、ヤンキーが勉強を頑張るってどうなんですか・・・?」

「ばか!教訓だよ、教訓!俺も社会人になってから、わかったんだ!勉強しておいた方がいいって・・・!」





そう言って、目を細める顔は『何か』を悟りきっていた。





(うわ・・・ヒシヒシと、切実感が伝わってくる・・・!)


「いいな!?暴走しつつ、ちゃんと勉強しろよ?」

「わ、わかりました・・・」


(ものすごい矛盾を感じるけど、瑞希お兄ちゃんが言うなら従いましょー!)



「・・・だけど、瑞希お兄ちゃんが良いなー・・・教えてもらうなら・・・」





諦めきれなくて、拗ねる思いで瑞希お兄ちゃんの背中に頭をくっつける。

本音をささやく。





「こらこら、オメーは!伊織の方が凛のためになるって言ってんだろう~?」

「だってぇ~獅子島さん、とがったナイフみたいで、怖いから・・・・」

「ナイフはみんなとがってるぞ?あれでも伊織は、友好的な姿勢だぞ?心配するなって。」

「そうじゃなくて!俺、瑞希お兄ちゃんが良いんだもん・・・」

「ぷっ!お前、ホントにあの頃のまんまだな~?まだまだ、凛ちゃんは甘えん坊ってか~?」

「か、からかわないでくださいよ~!・・・・あなたよりは、ガキではありますが。」





からかいながら言った相手に、そう答えた時だった。








「止まってぇ!!!」



「わあああああああああ!?」

「えっ!?」




ギュン!キッキッキィー!!





女性の叫び声と、瑞希お兄ちゃんの驚く声と、急ブレーキが重なった。