彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「凛をタダの可愛いモデル系だと思うなよ!あいつは、マジで男気があって強いんだ!オメーらなんか、秒殺だぞ!?」





凛道をかばう言葉を口にする姿にイラ立ちが増す。

けど、ムカムカしたのは俺だけじゃなかった。





「おもしれえ!だったら、呼んで来てみろ、尻軽女!!」

「あんだと!?」





売り言葉に買い言葉で、喧嘩する気満々の3年がカンナに近づく。

そして、デカい体でカンナを見下ろしながら言った。





「そんなに褒めるなら連れて来いよ、この場に呼べよ!今すぐ、俺がタイマンの相手してやるぜ!?」

「はあ!?馬鹿じゃねぇの?今すぐ呼ぶとか~・・・!」

「出来ねぇーよな!?聞いた話じゃあ、連絡知らないんだろうが!?謎多き4代目様のことをよ!?」

「て、てめぇ!」





それでカンナが返事に困れば、これ見よがしに笑い飛ばした尾村。





「真田瑞希達だって、あいつの存在を隠すような真似してっからな!?コソコソ裏でしやがって・・・よっぽど、見られて恥ずかしいんだろうな~!?」

「なっ!?黙れ、尾村!凛への悪口は~!?」


「そうだぜ。何熱くなってんだよ、カンナ・・・?」

「大河!?」

「さがれっつってんだろうー?」





カンナの肩を抱いて、俺の後ろへと隠しながら尋ねた。





「・・・・尾村先輩よ、やけに、凛道連にかみつくじゃねぇーか?」

「はあ?俺はいたって冷静だぜ?」

「自分で冷静いう奴ほど、荒れてんだよ!タイマンにしてもなんにしても、どーせ、おたくのとこの『先輩』からなんか言われたんじゃねぇの??『あんなガキ1人見つけられない無能共!』とでもよぉ~!?」

「うっ!?」

「ケッ!図星かよ~」

「円城寺ぃ~~~!!」





俺の言葉に顔を真っ赤にして反応する。

それで、俺の言ってることは正しいとわかる。

本人にその気がなくても、上が言えば動かなきゃいけないのヤンキーの世界。





(尾村め、先代の先輩に逆らえないから、こんなくだらないことを言ってきたんかよ。)





そう思うと、虎に見えた獲物(えもの)がねずみに見えて萎(な)えた。





「チッ!そうかい、そうかい。自分のところの先輩にケツ叩かれて、手柄立てようと焦ってんのかよ?マジダセー・・・!」





自然とあふれてくる不満を、相手へとぶつける。