彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「死んだぞ、尾村っ!」

「テメー真田先輩馬鹿にしてんのか!?」

「俺らにバトル申し込んだって、受け取りますぜ・・・!?」


「やめろ!悠斗、カンナ、秀!」





熱くなる仲間を制しながら、俺は聞いた。





「尾村!!・・・・何をたくらんでやがる・・・!?」





東山高校ナンバーワン・尾村晴樹。

『餓狼(がろう)』のあだ名がつく、油断ならない口が達者で喧嘩できる馬鹿。

純粋にタイマンをするなんざ、考えられない。





「たくらむって、俺は凛道連とのタイマンしか望んでねぇーぞ?」

「野郎にこだわるのは、オメーが得する何かがあるからか・・・!?」

「はははは!そうかもな~!?なんせ、オメーみてぇな伊達男差し置いて、貧弱な子供を4代目にしたそうじゃねぇか~?同情するぜ~円城寺?」

「あんだ・・・!?」

「あんだと!?ラリってんじゃねぇぞ!!」

「カンナ!」





尾村の言葉に、俺が怒るよりも俺よりも早く、先に激昂するカンナ。




「自惚れるのもいい加減にしやがれ!確かに凛は、抜けてるところがあるけど、そこらの男よりはよっぽど男らしい奴だよ!」

「はっはっ!ずいぶん入れ込んでるな、1年ガール!?やったのよ?」

「そういう発想しかできないところが、お前のレベルの低さだ!ましてや、お前程度と凛が勝負するはずないだろう!?レベル上げてから出直して来い!!」


「調子に乗るなよ女っ!!」



ガッターン!!


「きゃー!」

「きゃぁ!やだぁー!!」





カッと目を見開いた尾村は、握った拳を机に叩きつける。

それで机に亀裂が入る。

教室に残っていた他の生徒がさわぎだす。






「うるせぇ!!騒ぐなっ!!」






恫喝に近い尾村の声で、室内は静かになる。





「どいつもこいつも、龍星軍だ、凛道凛だって騒ぎやがってよぉ~!?なんだってんだよ!?ああん!?」





そう言ってブチ切れ始める尾村に、俺達の殺気も高まる。

戦いの予感を感じ、それぞれが備える。

そんな中で、尾村は別の机を蹴り飛ばしながら言う。