彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



大河達が通う東山高校は、ヤンキー4大高校、通称『四神高(ししんこう)』の一校として有名だった。

入学当初から『爆裂弾』は注目されていて、1年のトップを選ぶ喧嘩では大河が圧勝した。

そんな彼が次におこなったのが、上の学年である2年の頭を倒すこと。

さきほど、その相手とタイマンをしてきたのだが・・・・






「オラぁ!!」

「ぐあ!?」


「吉本さん!?」





秒殺で大河が勝った。

骨折が治ったばかりの人間とは思えない動きで、力の差を見せつけての勝利。

早い段階で勝負が決まっていた。





「嘘だろう!?」

「よ、吉本さんが負けた!?」

「おい、円城寺が勝ったぞ!!」

「1年が下剋上したぞ~!」


「やったな、大河~!」

「・・・ああ。」


(こんなもんかよ・・・!?)





騒ぐ周囲と仲間をよそに、大河の心は冷めていた。

喧嘩慣れした大河からすれば、手応えのない試合だった。

勝った自分が得たのは、学校のナンバーワンである3年ボスとのバトル権利。

残ったのは、不完全燃焼の心と体。

発散できなかった力が、彼の心の中で暴れまわっていた。

モヤモヤした気持ちが不機嫌へと変わり、大河の態度を悪くしていた。





「いいじゃんか、大河?勝って2年まで、支配下におさめたんだぜ~何にイラついてんだよ~?」





それを察して、ムードメーカーでもある仲間の悠斗がなだめるが・・・。





「イラついてねぇよ!」

「うわ!?」





怒鳴り声で返事をする。

驚く悠斗を見て大河も我に返る。

今の自分は冷静じゃないと知る。





「大河・・・」

「くっ・・・悪かったよ!」





椅子に腰を下ろし、机に脚を投げ出す。





(別に・・・つまらねぇー喧嘩だったからって、ここまでイラつくことはねぇんだ!)





俺に有利な状況で勝った。

これでこの学校のナンバーワンと勝負できる。

次に期待すればいいだけだ。