彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



高校に入ってから、初めて学校を休んだ。

ずる休み。

最悪の事態を考えながら学校へ電話したけど、うまくいった。





(ホント、事務員の人が出てくれてよかった・・・!クラスの友達にメールして、宿題のプリントは預かってもらい、授業ノートを写させてもらう段取りで話はついた・・・!)





うん、これいけるんじゃない!?

こんな感じで行けば、ヤンキーと一般人の両立ができるわ!





〔★凛の度胸レベルが1上がった★〕



「凛、お守りどっちにする?」

「えっ!?お守り?」





回想に浸っていれば、肩を叩かれる。

見れば、赤と青のお守りを持つ瑞希お兄ちゃんがいた。





「ほら、どっちにする?単車のキーにつけるお守り?」

「あ・・・えーと・・・」

「これぐれーで悩むな。こっちにするか?小さいから邪魔になんないだろう?」

「え?こっち、高いですよ。」

「あ?安全に高いも安いもあるか!すみません、これ下さい。」





そう言いながら、選んだお守りと一緒にお金を出す瑞希お兄ちゃん。

これに私は慌てた。





「え!?待ってください!払いますから!」

「ばか。これぐれー俺が出してやる。先輩の甲斐性だ!甘えとけ。」

「わっ。」





そう言うと、おでこを指で押された。





(甘えろって・・・・)





そうやって、私を甘やかすあなたに嬉しくも歯がゆくなる。





「・・・・子ども扱いしてませんか?」

「お前、子供だろう?未成年。」





熱くなる顔で聞けば、ははは!と笑って頭を撫でられた。





「ほら、キーにつけとけ。落とさないようにしろよ。」

「大事にします・・・!」

「できれば、命を大事にしてくれよ?」

「え?」

「・・・なんてな。」





そう言って私から手を離した時の顔。





(2代目達のこと考えてる・・・)





そうとしか思えないヒドイ表情。

うれいを帯びた悲しそうな目。

一瞬しか見せなかったけど、私の心に深く突き刺さる。


たまらなくなり、少し前を歩くその背中に叫ぶ。






「大丈夫だから!!」

「あん?」


(私は違う。)





「お守り貰ったから、大丈夫だよっ!」

「わっ!?」




(絶対の絶対に、瑞希お兄ちゃんを悲しませないから!)






その決意のもと、瑞希お兄ちゃんの腕を掴む。

絡めた腕を下げて、手を握って引っ張る。






「お、おいおい!男同士で手なんか~」

「俺、お腹すいた!早くご飯食べよ、お兄ちゃん!」






戸惑う彼にそう言えば、大口開けて固まるが。





「・・・そーだな。どっかで、ランチにすっか。」





ふんわりと、優しく笑ってくれた。

その姿で、やっと私の心も落ち着いた。