彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「テメー!目上をなめてんのか!?〆てやる!」

「え?」

「あ!?やめろバカ!!」

「暴力反対!!」

「凛に何する!?」





そう言いながら、暴れそうになった百鬼を烈司さんとモニカちゃんが抑える。

私は瑞希お兄ちゃんにかばわれた。





「離せ!このガキ、ふざけすぎだぞ!?」

「事故車を再利用したバイク出すオメーよりましだよ!なぁ凛・・・お前がバイクを受け取れない理由ってのはなんだ?」

「瑞希お兄ちゃん。」

「さっきまで、あんなに喜んでたのに・・・・免許の話で、急に態度変えたな?」

「ぅ!?それは・・・」

「凛、免許を取ると困ることでもあるのか?」

「いえ・・・僕・・・」

「もしかして・・・・・・・・凛の親が文句言うからか?」

「はああ!?いまどき、その年で親の言いなりか凛助!?テメーヤンキーなら、反抗しろよ!!」

「ちょっと黙れ、皇助!凛、どうなんだ?」

「・・・。」



(どうと言われても・・・)



「ほら、黙ってたらわからないだろう?」

「・・・・っ!!」





好きで黙ってるわけじゃない。

どういえばいいか、わからないから言葉にならない。





「凛・・・俺にも言えないのか?」

「み、瑞希お兄ちゃん!」





彼を見てから、他のメンバーを見る。

みんな、心配そうに私を見ている。





(言うべきか、言わざるべきか・・・・)





こんなに悩むなんて・・・!

これも、嘘をつき続けてた報いなの?





「凛!俺には、言ってくれるよな・・・・!?」

「ぼ・・・僕・・・・!」





悲しそうにする瑞希お兄ちゃんの顔に、耐え切れなくなった瞬間。





「そこまでにしろ。」





私と瑞希お兄ちゃんの間に、男が割って入った。





「獅子島さん!?」

「伊織!」

「お前の質問はここまでだ。これからは、俺が凛道に聞く番だ。」

「なっ!?」

「ええ!?」


(聞くって・・・なにを!?)




ただでさえ、苦手な先輩。




恐怖で震えそうになるが、耐える。

怖いのを隠すつもりで相手をニラめば、鼻で笑われた。