彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「つーことで、凛!遠慮も疑いもいらないから、使えよ!今日から、これは凛のバイクだ。」

「瑞希お兄ちゃん・・・」

「金のことは気にしなくていい。皇助が調達したバイクだからよ。」

「え!?盗んだバイクですか!?」

「誰が盗むか凛助!!俺様の家で眠ってたパーツを組み合わせたもんだよっ!」

「痛い!?」





怒鳴り声と一緒に、頭に拳が落ちた。





「コラ、皇助!!凛をいじめてんじゃねぇぞ!?」

「うるせぇ!過保護方向で育てやがってよぉ~!」

「い・・・いたた・・・百鬼さん?」





私を抱きしめながら、私を殴った相手に文句を言う瑞希お兄ちゃん。

彼の腕の中、野獣を見れば、ふんぞり返りながら言う。





「感謝しろよ、凛助!俺様の家が、整備工だったおかげで、オメーは格安でバイクを作ってもらえたんだぜぇ~!?」

「え?整備工?」

「あん!?オメー表の看板見てねぇのか!?百鬼整備工の看板見てねぇのか!?」

「・・・・すみません。ちょっと、見えなかったです。」

「おいおい、オメー近眼か!?4代目がそんなんでどうする!?」

「うっせぇー皇助!凛の目に問題はない!姿勢が悪かっただけだ!」

「姿勢だぁ~!?」

「うふふふ!つまりねぇ、皇助!頭隠して、お尻隠してなくってぇ~で、かくかくしかじかなの~!」

「なんだなんだ!?エロい顔しやがって!?スケベなイベントでもあったのか!?」

「オメーらがスケベの塊なんだよ、馬鹿共!」

「というよりも、モニカの言い方が卑猥なんだろう。」

「ははは!困った先輩達だね~凛たん?」

「あ・・あははは・・・」





ギャーギャー騒ぐ先輩達を見ているうちに落ち着いた。







(私にバイクをくれたってことは・・・・)



「このバイクで、4代目デビューをすればいいってことですか?」






たどり着いた答えを口すれば。






「「「「「その通り!!」」」」」







バラバラだった動きを止め、声をそろえて返事してくれた。

その姿に、やっぱり彼らは仲良しだと思った。