「ご、ご褒美って、バイクだったんですか!?」
(お泊りじゃなかったのか・・・・!?)
その事実に少し残念になったけど、まだわからなかったので聞いた。
「どうして、こんな高価なものを!?僕、バイクがほしいなんて言ってないし・・・・は!?まさか、出世払いで払えという奴ですか!?消費者金融で問題になっているあれですか!?」
「なんでお前相手に、詐欺働かなきゃなんないんだよ!?タダだよ、タダ!」
「タダ!?」
それでますます、怪しくなった。
「瑞希お兄ちゃん・・・・!お兄ちゃんが望むなら、臓器は差し上げます・・・!」
「何でそんな話になんだよ!?誰も移植したいなんて言ってないだろう!?」
「だって・・・タダほど、怖いものはないって・・・・!」
「ほぉ・・・よくわかってるじゃないか、凛道。イタリアマフィアも、憎い相手を殺す時は優しくしく接してから始末するからな・・・警戒心は8点・・・と。」
「って!?なんで点数つけてんだ、伊織!?凛も、疑いすぎだっての!!」
木製のボードに、書き込みをする仲間を怒鳴ってから瑞希お兄ちゃんは言う。
「あのなー!これは純粋に凛へのプレゼントだ!」
「でも、お金・・・・」
「俺らで、カンパしたからいいんだよ!」
「カンパ?」
「お金出し合ったって意味だ。」
わからない言葉を聞けば、私の頭を撫でながら烈司さんが言う。
「ええ!?お金出し合ったって・・・悪いですよ!俺もいくらか出します!」
「いいんだよ、凛たんは。悪いお兄さん達に付き合って、暴走くデビューしよって健気をしてくれるんだ。しかも、瑞希お兄ちゃんを守るためって気持ちでやってんだろう~?」
「なっ!?何言ってんですか~みなさんのことも考えてますよっ・・・!」
「ふーん、そっかそっか。じゃあ、そうしとこうか?」
甘い顔で、ナデナデしながら言うヘビースモーカー。
(私そんなに、顔に出てたかな・・・?)
相手の発言に動揺しつつも、これからは気をつけようと決める。
「こら、烈司!凛は犬猫じゃない!気安く触るなよ!」
「あんだよー?瑞希なんかしょっちゅう抱っこしてるだろう?」
「抱っこなんかするか!!」
口をとがらせる相手に怒鳴ると、私を奪うように自分の方へ引き寄せてくれる瑞希お兄ちゃん。
この動作を嬉しく思いつつも・・・
(抱っこはしてくれないのか・・・)
ちょっとがっかりもした。


