彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「オメーよ、今日、まだ顔見てない奴がいるだろう?」

「え?カンナさんですか?」

「女じゃない。男だ。」

「ええ!?まさか、円城寺君!?」

「違う違う。俺ら秘書代のメンバーは、何人だ?」

「五人です、瑞希お兄ちゃん。」





そう答えて気づく。





「・・・あれ?言われてみれば、1人足りない・・・?」

「俺様のことか~!?」





途端に、バカでかい声が耳元で響く。





「わはははは!!!」

「ぎゃー!?」





笑い声と一緒に、お尻を掴まれる。






(ひっ!?)


「――――――――チカーン!!」



ヒュン!!






反射的に回し蹴りをするが・・・




ガシっ!!



「え!?」

「わっはっはっ!!軽いわっ~凛助!!」





受け止められる。





「百鬼さん!?」





野獣に。





「あなたですか!?セクハラしたのは!?」

「ぶはははは!ガキの青い尻叩くのが、大人の役目だろう!?女みたいなケツしやがってよぉ~!?」

「くっ・・・!」


(言えない・・・!女だと言って、文句言いたいけど、言えない・・・!)



〔★百鬼の言葉は、凛にジレンマを発生させた★〕




「後ろがら空きにしやがってよぉ~!まだまだ修行が足りないぜー!?わはははは!」

「「「お前もだ!」」」


ゴス!バキ!スコーン!!





得意げにしていた百鬼の背後から流れる三重奏。





「この豆腐頭!凛をからかってんじゃねぇよ!」

そう言って拳を握る瑞希お兄ちゃんと、





「あたしの凛ちゃんに、お触りしてじゃないわよ!キャバ嬢の尻でも触ってな!」





開いた掌を振りながら怒るモニカちゃんと、

「お前こそ、背後が無防備だ。人に説教をする資格はないぞ、馬鹿者め。」





木製のクリックボードを手にした獅子島さんの3人が、百鬼の後ろから顔を出した。





「い、息ピッタリ!さすが、仲良しグループ!」

「仲良しかどうかは、怪しいなぁ~」

「烈司さん!」





他人事のように、私の肩を抱きながら笑うヘビースモーカーの先輩。

そして、3人に攻撃された野獣に言った。