「ほら、よしよし。怒るな、怒るな。」
「あ、あの、烈司さん?」
「れーじ、邪魔すんな!」
両手で、両腕に収めると、子供をなだめるように言った。
「伊織の憎まれ口は生まれつきだ。マジでとるなよ、凛たん?いいな?」
「え?わ・・・わかりました・・・」
「瑞希も、いい加減慣れろよ。からかわれてよぉ~」
「うっせー!こいつのいうことは、時々まじか冗談かわからなくなる!」
「奇遇だな。俺自身もだ。」
「本人もわからないんですか!?」
真顔で言う相手に、ツッコミが止まらない。
「ほれほれ!もうそのぐらいにして、中に入るぞ~」
見かねた烈司さんが、ポンポンと、私の肩を叩きながら前に押す。
「あ、なにを!?」
「はい、前に進め~!イチ、ニ~イチ、ニ~」
そう言いながら、少し強引に歩かされた。
「ほら、瑞希ちゃんも歩け!」
「ちゃん付けするな!ガキ扱いしてんじゃねぇぞ!?」
烈司さんの腕の中、同じように歩かされている瑞希お兄ちゃんがいた。
(・・・子供だ。)
ガキじゃないと連発してるけど、ぶっちゃけ子供みたいで可愛い。
(そこに惚れちゃったんだけどねぇ~!!)
〔★それも理由らしい★〕
「ほい、到着~」
「え?ここ?」
瑞希お兄ちゃんに見とれているうちに、目的地に着いたらしい。
「うわ・・・ここって、鉄工所ですか?」
鉄と油の独特の臭いが漂う場所。
よくわからない機械などがある倉庫のような作業場だった。
「凛ちゃん、おしいわぁ~!正解は、整備工場なのよぉ~」
「整備工場?」
「なんだ、凛たん?表の看板、見てなかったのか?」
「不可能だろう、烈司。凛道は瑞希に担がれてここに来た。看板に尻を向けた状態でな。」
「やん!頭隠して、尻隠さずー!?もう、あたしを誘惑しないでよぉ~」
「するかボケ!!あのな、凛・・・ここは、凛がよく知る奴の実家なんだ。」
「実家!?だれですか、瑞希お兄ちゃん?」
心当たりがないので聞けば、苦笑いで言われた。


