彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「だから喧嘩はストップで~!」

「凛道の言うことが正しい。お前ら、少し状況を考えてから喧嘩しろ。」

「獅子島さん!?」


「瑞希、つけられたのか?」





ニラむように、眼を鋭くしながら瑞希お兄ちゃんに問う美形。

これに、瑞希お兄ちゃんも表情を変えた。





「完全に巻いた。追ってきてねぇよ。」

「ならばいい・・・・こちらも、おかえり願ったからな。」


(おかえり願ったって・・・・)




だれに?

というよりも・・・




「今、どういう状況になってるんですか?」

「凛。」

「教えてください。僕は世間から、どう言われているんです・・・?」





嫌な予感しかしないけど、知っておかなければいけない。





「自分がどうなっているかわからないと、身を守れません・・・!」





私の問いに、瑞希お兄ちゃんを含めた4人はアイコンタクトし合う。

それを終えた後で、瑞希お兄ちゃんが言った。





「カギを変えたのは、知ってるか?」

「カギ?」





その質問でピンときた。





「裏口が開かなかったのは、お店のカギを変えてたから!?」

「そうだ。」





私の言葉にうなずく瑞希お兄ちゃん。





「いろいろバレちまったから、話すけど・・・凛を4代目にした辺りから、うちの敷地を勝手に出入りするネズミが出てきてな。」

「ネズミ!?言ってくれれば、殺鼠剤買ってきますよ?」

「げっ歯類ではない、凛道。哺乳類の方だ・・・!」

「哺乳類?」

「あ~つまりね、凛ちゃん。凛ちゃんやあたし達と同じ人間のカテゴリーに属してるヤンキー坊や達が、凛ちゃんのことを調べようと『フェリチータ』に来てたのよ?」

「ええ!?お店にですか!?」

「そうなんだ。」




困ったように言う瑞希お兄ちゃんに、私も困ってしまった。





「全然気づきませんでした・・・・ヤンキーらしいお客さん、僕がいる時にはいませんでしたから・・・」

「いやいや、そうじゃない、凛たん。」

「来店したという意味ではない。」





気づかなかった自分に後悔していれば、烈司さんと獅子島さんが手を横にふる。