「誰だって、最初からできるわけじゃない。俺だって、失敗しながらやってきたんだ。俺はヤンキーの下積みがあるけど、凛は全くの始めただろう?少しずつ、覚えていけばいい。」
「瑞希お兄ちゃん・・・!」
「オメーも『男』だろう、凛?グダグダ言うんじゃねぇよ!こうして、真実を知っちまった以上・・・立ち向かって行け!」
「・・・。」
(女なんだけどな・・・・)
彼からの励ましは心に届いた。
けれど、ミラー越しで『男』と言ってくる好きな人に、何も言えなくなる。
言いたくても言えない言葉を飲み込むしかなった。
黙る私に気にすることなく、瑞希お兄ちゃんは静かに告げる。
「けどよ・・・・今日みたいに、毎回俺が助けてやれるとは限らないからな?その辺は、事故防止力を上げろよ?」
(マジすか・・・・)
瑞希お兄ちゃんの話で、いろいろわかった。
彼が、バイクを走らせた状態で私を乗せた(?)理由が、私を狙う奴らから守るためだったということは理解できた。
「瑞希お兄ちゃんは・・・・僕を助けるために、僕をかついでバイクを走らせるというパワフルイベントを実行してくれたんですか・・・・・・・?」
「あははは!実行中だけどな~!?どうした急に?なに感動してんだよ~?まぁ、感謝されてもいいかもなぁ~!」
「・・・ははは・・・そうですね・・・」
(・・・だったらもう少し・・・ソフトの手段はなかったのかな・・・?)
走行中のバイクに乗せるのは、ちょっと荒業過ぎじゃない?
今の瑞希お兄ちゃん、荷物を担いでる人みたいだし・・・
(いや、私が荷物みたい・・・・)
どうしよう・・・・瑞希お兄ちゃんに、もしお荷物だって思われていたら、どうしよう・・・。
ご機嫌に笑う好きな人に、不安定な姿勢でそう思った。
〔★現在、心配するべき点はそこではない★〕


