彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



乗ってる人も、走ってるバイクもヤンキー色が濃い。

不良を見かけるのは、珍しいことではないけど・・・・





「なんか・・・・ついてきてませんか?」





かなりのスピードで瑞希お兄ちゃんは走っているのに、ついてきている。

同じ車線で、同じ方向に・・・





「つけられてる・・・?」

「そういうことだ。」





独り言のようにつぶやいた言葉に、瑞希お兄ちゃんが返事をしてくれた。





「俺も感覚、にぶってたぜ・・・昨日は派手にやりすぎた。あれでマークされてるみてぇーだ。」

「え!?・・・・毒蝮に『襲われた』ことですか?」

「周りはそう思ってねぇよ。『喧嘩』ってことになってる。」

「はあ!?向こうから、勝手に絡んできたんですよー!?俺達は被害者ですよ!?」

「面倒が嫌な警察は、そういう見方をしてないぜ。まぁ・・・今追ってきてんのは、ヤン坊共だけどな。」

「冗談じゃないですよ!見損ないましたよ、おまわりさん!じゃあ、あいつらは毒蝮の連中ですか!?」

「どーかな・・・世代交代で、俺も引退してからは末端の顔まで知らないから・・・」

「じゃあ、ど末端ですね!!意味なく人をつけてくるなんて、普通の神経ですることじゃないです!」

「凛、それは言い過ぎで~」

「瑞希お兄ちゃんは優しすぎます!なにもしてない俺達を尾行するなんて、あいつら変です!乗ってるバイクからして、新幹線の頭みたいな変なのつけてるし!おかしいですよっ・・・・!」

「ぷっ!?新幹線の頭~!?」





私の言葉で、硬かった瑞希お兄ちゃんの表情が和らぐ。





「あはははは!」




そして、爆笑された。





「み、瑞希お兄ちゃん!?なにがおかしくて・・・・??」

「はっはっ!あははは!悪い、悪い。凛があんまりにも・・・ははは!」





そう告げる声は、いつもの優しい声。