彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


「お兄ちゃん!瑞希お兄ちゃん!」

「うるせぇーぞ、なんだよ?」

「うるさかったら、お詫びします!すみません!あのですね、この姿勢は、俺も瑞希お兄ちゃんも危険だと思うんですよ!だから、一度どこかで止まっ~」

「できねぇーな。」

「え!?」





私の言葉を遮りながら拒否する瑞希お兄ちゃん。

その表情は、いつか見た険しい顔。

あれ?この顔って・・・・!?





(ご両親がいないって言った時に見せたのと同じ・・・!?)





そんなことを考えていれば、ドスの利いた声で言われた。





「止まって普通に乗せるぐれーなら、最初からこんな乗せ方するか。」

「え・・・?」





その言い方で嫌な予感がした。

今、よくないことが起きているのではないか、と。

その予想を裏付けるように、瑞希お兄ちゃんは忌々(いまいま)しそうにつぶやく。





「チョロチョロと・・・めざわりなのがいるんだよ・・・!」

「・・・なにが・・・?」





なんとなく、予想はついたけど、確認のために聞いた。

これに彼は詳しく答えてくれた。





「・・・・オメーをバイクの練習に連れ出してる時から、監視されてんのは知ってた。それも、昨日までうまく振り切ってたが、モニカが高千穂にしゃべったおかげで足がついちまったな・・・」

「ええ!?」





その言葉で確信する。

頭の中の記憶のピースが出そろう。


初めてお店のお手伝いをした日。

瑞希お兄ちゃんのバイクの後ろで、ご両親がいないと告白された時。

私を抱きしめ、私の背後をにらんでいた瑞希お兄ちゃんの姿。





「もしかして・・・・・・・お手伝いした日に・・・・信号待ちで、私の後ろをにらんでたのは・・・?」

「へっ!察しが良いな・・・・!顔上げて、前見て見ろ。」

「ま、前?」

「俺から見て後ろだ。」





そう言われ、正面を見る。

それで気づいた。







ボッボッボ!

オオ―――――ン!!



(あれは―――――!?)






つかず、離れず、私達の後をついて走っている数台のバイクの存在に。