彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


ともかく、その場にじっとしてられなかったので移動した。





「何で、入れないんだろう・・・?」





再び、お店の玄関に戻る。

目の前は道路になっている。

瑞希お兄ちゃん達は、いつもここを通って帰ってくる。

バスも通る大きな道だけど、今は誰もいない。

天気のいい日なのに、私の頃の中は曇り。

顔は雨マーク。





「瑞希お兄ちゃん・・・・僕、悪いことしてたら謝るから・・・・」



(許して下さい・・・中に入れてよ・・・)



〔★誰もいない家屋でそれは無理である★〕




手持ち無沙汰で、お店の前をウロウロする。

早く彼が帰ってこないかと、辺りを見渡す。

ガレージの方へと言ってみるが、鍵がかかっていては入れない。





「完全に誰もいない・・・・」





誰かいれば、開いている単車と車置場。





「どうしよう・・・瑞希お兄ちゃん、仕事かな・・・?」





まさか、いないとは思ってなかった。

あんなにお酒を飲んだ次の日に仕事なんて、考えてもみなかった。

てっきり、休みだと思っていた。

いると思っていた。

普段から、普遍的なシフトだから、いつ仕事か、きちんと把握してない。





(知りたいけど・・・いちいち聞くのは、うっとおしいって思われるかもしれない・・・重たい女って思われたくない・・・)



〔★心配しなくても、女と思われていない★〕



(・・・・仕方ない・・・お店の前で、大人しく待とう・・・)





トボトボと・・・お店の前に戻る。

ぼ~と立ち尽くし、聞き耳を立てる。




(バイクの音も、車の音も聞こえないな・・・)





耳を澄ますのは、彼のバイクの音に反応するため。

借りて使っていたこともあって、ちゃんとその音を覚えてる。





(みんなからすれば爆音だけど、私からすれば恋のメロディー!)



“凛!”





練習の前や終わった後、私を後ろに乗せてお店まで運んでくれた。

烈司さんやモニカちゃんも後ろに乗せてくれたけど、瑞希お兄ちゃんが一番よかった。