彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




これで、2番目に聞こえた声が怒りながら言う。




〈割愛しすぎだろう!?カンナが人質!?大河が襲われた!?なんでお前が携帯持ってんだ!?〉

〈落ち着け!それだけわかれば、情報としては十分だぜ・・・・・庄倉っ!!!〉




3番目の声が、2番目の声を制して何か言い始める。




(え・・・?今、『庄倉』って言った?)



まさか、カンナさんが教えてくれた羅漢の頭?




(なんで、敵の親玉が、カンナさんの携帯に電話してるの・・・・?)




気候としてやめる。

止めていた足を動かす。

聞いてもよかったが、この場にいつまでもじっとしていられない。

眠ったままの円城寺君を、慎重に乗せて走る。

こちらが聞かなくても、向こうで何が起きているかわかった。




〈いくら、多少の無茶はアリとはいってもカンナを人質にするとはどういうことだ!?〉




意識してなくても、聞えてくる電話口の会話。

それに耳を傾けながら、大嵐山を目指す。

険悪な話は続く。




〈なっ・・・なんだよ!女に暴力振るうのは最低だって言いたいのか!?〉

〈そこじゃねぇよ!!貴様は、大河とタイマンを張りたいと言ってきただろう!?正々堂々の一対一で!それであいつ1人を行かせたわけだが・・・どういうつもりだ?〉

〈どうとは?〉

〈お前が万が一にも、大河を倒したとしても、人質を取ったタイマンなど、便所の虫以下のクズだ!!羅漢はいつから弱虫になった!?〉

〈あんだと吾妻(あずま)!〉

〈言わせておけば―!〉




聞えてきた内容で判断する。





(どうやら・・・敵と味方で言い争ってる。これは・・・早く円城寺君を届けないと!)





事態が悪くなってると思っていれば、その予想は当たってしまう。






〈だからなんだ?〉






突然、最初に電話をかけてきた奴の声が強気になった。




(庄倉だ・・・・)



何を言うのかと思えば、予想以上のことを言ってくれた。






〈お前それ、本当に俺からの呼び出しだったのか?〉

〈なに・・・!?〉



振動のように伝わる、避難した側の人達のいきどおる声。




(えっ!?なにその言い方!?)



もしかして―――――――




(こいつ!庄倉って奴、シラを切り始めた!)





運転に集中しながら、どのような会話になってきているか耳を澄ませる。

そして、聞えてきたのは最低の内容だった。