彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)

間一髪(かんっぱつ)だった。





「凛~いい加減起きなさい!」

「わっ!?は、はい!!」





部屋の窓をまたいでいた時、声をかけられた。

扉越しに、ノックしながら声をかけるお母さん。

なんとか・・・ヤンキーにも警察にも見つかることなく、着替えを完了して帰ることができた。





「凛、ちょっとカギを開けなさい。」

「あ、あとで開ける。」

「今、出てきなさい。朝ごはんまだでしょう?」

「そ、そうだけど・・・」

「あんたね・・・『おはよう』もまだ言ってないでしょう?最近どうしたの?」

「ど、どうって?」

「様子がおかしいわよ。学校で何かあったんじゃないの・・・?」

「な、ないよ!」





学校では何もない。

学校の外では、いろいろいいことがあったけど。





「凛・・・いいから、部屋から出て着なさい。お母さん、ちゃんと話がしたいのよ。」

「ま、待ってよ!私、まだパジャマだよ?」





本当は着替え終わってるけど、ダッシュで帰ってきて、息切れして苦しい。

休みたいための時間稼ぎ。

しかし、それは親には通じかなかった。





「何言ってるの?親子で服装の何に気を使うの?お母さん、心配してるのよ!?」

「え?なんで?」





結構本気で怒ってきた。

心当たりがないので聞いた。

それで彼女の声がさらに不機嫌になる。





「あんた、部活に入らなかったでしょう?何も部活に入ってないと、大学を受ける時の内申にもかかわるのよ?」

「ぶ、部活してたら、勉強が上手くいかないから・・・」

「だったら、幽霊部員でも問題ない文科系に入りなさい。なんのために、レベルの低い高校に入ったと思ってるの?そこで一番になって、いい大学への推薦状をもらうためでしょう?」

「うん・・・」





そうなんです。

高校を選ぶ時、両親の指示してきた学校を受けました。

両親としては、私の学力よりも下の学校を選んで、そこで上位成績をキープし続けることで、受験の時に本命の大学への合格が確実にできるようにしたいと言うのです。