彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「モニカの趣味は、どうでもいいが・・・・凛道。気分はどうだ?」

「え?」





その問いかけに、質問してきた眼鏡のお兄さんを見る。

彼は私を見ながら言った。





「お前、瑞希のガラクタの一撃を受けて気を失ったんだぞ。」





そう言うと、私へと手を伸ばす獅子島さん。

苦手な先輩からの接近。





「あ・・・!?」





一瞬体がこわばるが――――――





「落ち着け。」





獅子島さんからの短い制止で動けなくなる。





「慌てるな、逃げるな、静かにしろ。俺は攻撃をするわけではない。」

「伊織!」

「瑞希の腕の中で、そのままじっとしていろ。」





瑞希お兄ちゃんにそう言うと、観察するように私の顔や頭を触る。





「ふむ・・・意識が飛んだだけだったらしいな・・・」





直診のようなまねをする獅子島さん。





「伊織、凛はマジで大丈夫か!?」

「お前が心配しなくても、問題はない、瑞希。異常は見られん。」

「え!?獅子島さん・・・わかるんですか?」

「医術の心得はある。まぁ、知らんよりましという程度だ。」

「こんなこと言ってるけど、伊織のおかげで、脳梗塞でアウトにならなくて済んだご老人を、俺は8人は知ってるぜ~凛たん。」

「脳梗塞!?8人!?」

「烈司、余計なことを言うな。」

「そ、そうなんですか!?すごいですね、獅子島さん!?」

「・・・真似事だけだ。俺に特別な資格はない。」

「わはははは!下手すれば、ブラックジャックだよなー!」

「誰がヤブ医者だ、皇助?」




(もしかして・・・この人もただ者じゃないかもしれない・・・)




百鬼にしても、モニカちゃんにしても、烈司さんにしても。

瑞希お兄ちゃんの仲間は、ただのヤンキーじゃない気がした。