彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「イオリンも!マジで消毒液渡すことないでしょー!?」

「消毒液じゃない。次亜塩酸ナトリウムと、エタノールだ。」

「獅子島さん!違いがわからないんですが!?」

「プールで使うか、人間で使うかだ、凛道。」

「つーか、人間オンリーの物だけ渡せよ!!」





怒る瑞希お兄ちゃんの声に合わせて、手がまぶたから離れる。

視界が明るくなる。

目に映ったのは、騒がしい先輩達の姿。





「もう~みーちゃん嫌い!あたしへの差別よ!嫌いなんだからっ!べぇーだっ!!」

「怒るなよ、モニカ~オメーが唾つけようとしたのが悪いんだぞ?」

「わはははは!俺でも嫌だけどな!オメーからのキッス!」

「金つまれてもオメーにはしねぇよ、皇助!凛ちゃんは嫌って言ってないじゃない!?ねぇ~凛ちゃん!」

「え?いや、あの・・・!」

「タコ!オメーが言わせないようにしてんだろう、モニカ!?」





口をくぼませながら迫ってくる相手に戸惑っていれば、私を抱え込みながら瑞希お兄ちゃんが怒鳴る。





「このバカ!先輩って立場で、迫るんじゃねぇぞ!えげつねーなぁー!?」

「なによ~凛ちゃんが可愛いだけの男の子だったら、遊ぶかもしれないけど、そーじゃないもん!」



(男の子って・・・・)



〔★凛の正体は女だ★〕



(そっか、この人・・・・私を男と知らないで、気の毒に・・・・)





同情に近い気持ちで見れば、目が合う。

ニコッ♪と笑ってきたので、同じように微笑み返す。

同情の意味で。





「コラ!お前も、勘違いさせることするな、凛!」

「あう・・・!ごめんひゃはい・・・・」





ムニーと、軽い力でほっぺをつままれ、叱られる。

うん、そう・・・瑞希お兄ちゃんの言う通りではあるけど・・・





(怒られる幸せって、こういうことなのかも・・・♪)





ムニムニされながら、幸せにひたっていれば、咳ばらいが響いた。