(これは、瑞希お兄ちゃんがバリスタの勉強をするための―――?)
「なぁ~に、突っ立てんだよぉ?」
「え?」
そんなことを考えていれば、突然、瑞希お兄ちゃんに引き寄せられた。
「ざっばーん!!」
「きゃあああああ!?」
そして、私を抱きしめられたまま、彼はベットにダイブする。
「み、瑞希お兄ちゃん!?なにを―――――!!?」
「あはははは!!凛、油断したー!!」
柔らかいベットに、ウォーターベットだと思いながら瑞希お兄ちゃんを見る。
彼は私を見下ろしていた。
(あら?これはもしかして・・・・?)
「おら!マウント取ったぞ、凛―!?」
「!!?」
(きゃあああああああああ!!)
プロレス用語でいうところ、私のお腹の上に乗りながら言う瑞希お兄ちゃん。
つまり、わかりやすくこの状況を言うと~~
(お、押し倒されたっ!!?)
きゃ~あん♪と叫びたいのを我慢する。
というよりも、驚きと嬉しさと恥ずかしさで、どうしていいか動けなくなる。
そんな私を、値ふみするように瑞希お兄ちゃんが見下ろす。
「んー?どーした?負けを認めるかぁ~?」
「認めます。」
いつの間に勝負になったのか知らないが、彼に私が勝てるはずがない。
暑くなる頬で、両手を小さく上にあげて万歳すれば・・・・
「チッ!つまんねぇーの!」
「ええ!?」
舌打ちされた。
そして、不機嫌そうな顔で私に言う。
「もーちょっと、てーこーしろよ!つまんねぇー!」
「つま・・・いやいや!意味がわからないですよ!?」
「凛、本気出せよ~凛~!」
「きゃ!?」
そう言いながら、私におおいかぶさる愛しい人。
(ひ―――――!?こ、これは!?)
素で、あわてた。
同時に、初めて怖くなった。


