彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「烈司さん!!」




名前を呼べば、片手を上げてウィンクしてくれた。

そして、あっという間に、私達の横を通過する。






「え!?」


(どこ行く気!?てか、そっちはー!?)


「待ってください!その先には警察がー!!」





警察がいるのに!と思って叫ぶ。

慌てて、背後を見れば、






《なんだ貴・・・うわっ!?》



ギュイン!ギュイン!ギュギュギィーーーー!!


「ええ!?」






そこで私が目にしたのは。





ギューン、ギュ、ギュ、ギューン!!ギギッ!


《やめろ!ぶつか、危ない!》

《この~下がれ、下がれ!》

《事故らせる気か!?》





パトカーにぶつかるぶつからないかのギリギリの位置で、左右へと単車を揺らしながら走る烈司さんの姿。





「すごい!」





まるで、自分の体の一部のようにバイクを動かす烈司さん。






ギュ、ギュ、ギュ、ギュギューン!







そのまま、パトカーの前で、ジグザグ運転を始めた。

まるで、通せんぼをするようにいく手を遮る。

そのおかげで、パトカーと私達の距離がどんどん広がる。





「あいつ・・・ケツ持ちのつもりかよ・・・」

「え?足止めしてくれてるんですか!?」





一緒にその様子を見ていた瑞希お兄ちゃんが、苦笑いしながら言う。

その顔はどこか嬉しそうで、なんだか烈司さんが羨ましくなった。






パパン!!





そんな中、鳴り響く大きなクラクション。





「烈司さん!?」





音を出したのは、男前のヘビースモーカー。

それを受け、にやりと笑う瑞希お兄ちゃん。

私の方へと身を乗り出しながら瑞希お兄ちゃんは言った。