サイレンの音が聞こえなくなったところで、瑞希お兄ちゃんが言った。
「ヒュー!やるじゃん、凛!」
「そ、そうですか?」
「ああ、最高だ!マジで、よくやったなぁ~!?」
そう言いながら、頭をナデナデしてくる。
ハイスピードのまま、運転を続けている現在。
バンダナのマスクが顔に張り付いて、呼吸が苦しい。
だけど、
「練習では、散々冷や冷やしたけど、もう大丈夫だな!」
頭をナデナデされながら言われる。
「凛は本番に強い!これでもう安心だな?バイクの二人乗りは~?」
頭をナデナデナデしながら言われる。
「今みたいな感じでよ~これからも、俺を凛のケツに、乗っけてくれよ?いいよな、凛?」
頭をナデナデナデナデ・・・!
「も・・・もちろんですっ!」
お触りはもちろん、そう言ってもらえて嬉しい。
ミラーに、喜んでいる瑞希お兄ちゃんの姿が映る。
それを見るだけで、風圧による息苦しさもどこかへ吹っ飛んでしまった。
(褒められた・・・)
瑞希お兄ちゃんに褒めてもらえた。
(嬉しい!!)
それで、幸せな気持ちになった。
なにより私自信がーーーー
「楽しい。」
この無茶苦茶な状況を、楽しめていた。
不思議なくらい、ワクワクドキドキしてる。
「バイクって、こんなに面白かったかな・・・?」
「そうだろう!?最高だろう!?」
何気なくつぶやいた私の一言を、彼がフォローする。
「楽しみ方を見つければ、単車も乗りがいもあるだろう?」
「うん・・・あんなに乗ってたのに、なんで突然、楽しさが増したんだろう・・・?」
「気持ちに『よゆう』出来たからじゃねーの?」
戸惑う私に瑞希お兄ちゃんは言った。


