彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





私がするしかないという現実を作られたけど・・・・

それでも私には、無理だった。

困っている人を見捨てるのはよくないが、私という人間が『できること』にも範囲がある。

これはあきらかに、私の手に負える問題じゃない。

なので、少しきつめの声を出しながら――――――――





「できないよ。」





拒否した。





「私にはできない。」





断った。


握らされた携帯を押し返しながら、静かに伝える。

それで片眉をゆがめる少女に、低い声で私は伝えた。



「カンナさん、だっけ?そういうことは、信用できる人に頼みなよ。私みたいに・・・今日知り合ったばかりの人に、大事な友達を預けるって、不用心すぎるよ?簡単に決めていいことじゃないと思う。」

「簡単じゃない。」

「は?」





私の言葉で、不意に彼女から笑みが消える。






「簡単になんか、決めてねーよ。」

「え・・・。」





そう語る眼は本当に怖い。


逃げたくなるのを我慢していれば、そんな表情を和らげてから彼女は言った。





「あんたならできる。」

「は?」

「あたしは直感で、あんたならできるって思えた。」

「直感で・・・?」

「だから、信用する。」




(はあ!?そんな理由で私を信用するの!?)




「もう決めた。あたしはあんたにかけるよ。」

「き、決めたって・・・」

「あんたは信用するだけに値するまともな奴だって、わかってるから。」

「なっ・・・・!?」

(何を根拠にそんな大口開けるんですか・・・!?)




その場しのぎで、おだてているというわけではなさそうだ。

そうなると、私を見るまばゆい瞳が嘘になってしまう。

褒めてもらえるのはいいが、素直に喜べる状況じゃない。

本当に私の話を聞かない相手への対応に困っていれば、ふいに独特のエンジン音が耳に届く。







ギュルギュル、ギュルルル!!

バンブーバンブー!

コアーコアーコアアア!






「な、なにこの音!?」

「やつらだ!」






私の問いに、私の腕から飛び出しながら高千穂さん改め、カンナさんは言う。