彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「み・・・瑞希お兄ちゃん・・・!」




その言葉で、一気に恐怖が胸をおおう。






(私、本当に危なかったんだ。)






そう理解したら怖くなった。






「ごめ、ごめんね、瑞希お兄ちゃ・・・!」

「いいんだよ。」






謝る私の声をさえぎり、ぎゅっと抱き寄せながら彼は言う。






「おい。」

「ひっ!?」





視線を『毒蝮』の人達へと向けながら言った。







「オメーらの中の誰だ?凛にちょっかい出した馬鹿は・・・!?」


「あ・・ぐう・・・」

「そ、それは、その~」

「俺達は別に・・・・」


(・・・すごい。)







瑞希お兄ちゃんの一睨みで、ごつい男達がおびえてる。

何気なく鼻をすすれば、さらにギュッと私を抱き寄せながら瑞希お兄ちゃんは言う。






「何度も言わせるな。凛に粉かけやがった馬鹿は誰だ?」


「そういうオメーは誰だよ!?」





落ち着いた瑞希お兄ちゃんの声に反する乱暴な口調。






「あ。岡田って人。」

「岡田ぁ?」





私の言葉に、肩目を吊り上げながら瑞希お兄ちゃんが聞いてきた。





「そうだ!『毒蝮(どくまむし)』の5代目総長の岡田幸喜だ!」





瑞希お兄ちゃんの問いに、本人が怒りながら答える。





「くう・・・なんなんだよ、アンタ!?いきなり人間ひきやがって~!?誰なんだよオメーはぁ!?」

「あ?『毒蝮』の頭のくせに、俺知らねぇーのか?とんだハズレだな。」

「何様お前!?マジで何だ!?」

「前田の後輩だったな。相変わらず刺し歯か?」

「てめ!歯のことは言うな!前田さん、『龍星軍』の真田に折られて以来、その件はタブー・・・・」





そこまで言って、岡田の顔色が変わる。






「あっ、あっ、あっ、ああああ、あなた様は~~~!?」

「チッ・・・」






低い舌打ちが響き渡る。

岡田だけじゃなく、周りの男達も青い顔で瑞希お兄ちゃんを見ている。

多分、いえ、きっと。









「で、伝説の暴走族、『龍星軍』の初代総長・真田瑞希さーんっ!!?」


(やっと、瑞希お兄ちゃんが誰か気づいたんだ・・・・)





〔★瑞希の存在に毒蝮のメンバーは驚いた★〕
〔★しかし本人は、シビアだ★〕