彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「うぐっ・・・・・・・おおお!!」

「え?」






かすかに、鼻をかすめた酸っぱい臭い。

その臭いに気付かなかったら、きっと完全にアウトだった。







ゴツン!!



「あっ!?」


(-------痛っ!?)






少しだけ、そらした頭に、後頭部に硬いものが当たる。

目の前を星が瞬き、ガクンと足の力がぬける。





「あ・・・はははは!あたったぜ!」

「痛た・・・お前は・・・!?」



(岡田!?)






蹴りと拳で倒した男。

顔じゅうゲロまみれで、私のすぐ後ろにいた。

片膝ついた状態で見上げて、気づく。

奴が手に持っているバット。





(あれを、頭に食らっちゃったのね・・・!?)


「あはははは!やってくれたな、ガキ!スイカ割り狙ったのに~石頭だな!?」


(よかった!臭いに反応して、頭を少し動かしたから、頭上からバットを叩きつけられなくて済んだみたい・・・!)






だけど、状況は良くなかった。







「なめやがって~袋にしてやる!!やれっ!!」

「へ?」

「「「「オスっ!!」」」」





吐しゃ物で顔が汚れた岡田が合図すれば、武器を持った男達がいっせいに私へと迫って来た。






「え!?な、なになに!?」

「公開処刑の時間だよっ!!オラ!」

「わっ!?」






そう言いながら、座り込んでいる私にバットを振り下ろす岡田。

慌ててよければ、





「逃げんなよ!」

「わわ!?」




別の男が木刀を振り下ろしてきた。






「な、なにを~?」

「それ!」

「そっち行ったぞ!」

「叩いちまえ!」

「だー!?ちょっと!!?」




気分は、モグラたたきのモグラ。

ゲームセンターのモグラたたきは最大2人までだけど・・・







「何人プレイよー!?」

「タイマンしたくないんだろう、オメーは!?」







ツッコミをかねて怒鳴れば、危ない目で岡田が言う。