彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「お、岡田さん!?」

「マ、マジかコイツ!?」

「うちの頭まで倒しやがったー!?」




騒ぐ周囲をよそに、私は静かに思う。





(アーメン・・・心の底からさようなら・・・)





ピクピクと痙攣(けいれん)する男に私はつぶやいた。






「さようなら・・・俺の大事な上着・・・もう、着れない・・・」


(切れたシャツの再生はいいけど、ゲロまみれになった上着は洗っても着たくない・・・)


「「「「そんな理由で祈ったんかい!!?」」」」






〔★凛は自分のために祈った★〕



総ツッコミを入れてくる野次馬達に私は言った。






「当然じゃないか!そんなの着てたら、瑞希お兄ちゃんにクサいとか言われて嫌われるかもしれないでしょう!?」


「「「「「噂通りだなお前---!!?」」」」






そう言って、私を指さす彼らにムカッときた。





「どんな噂か知らないけどさ~俺、君らの頭を倒したよね~?」

「うっ!?」

「そ、それは・・・!?」


「用は済んだはずだ。帰らせてもらうよ?」





男達をニラみながら宣言する。




「ま、待て!逃がすわけには~」

「じゃあ、君が代わりに戦うのか?」

「ぐっ!?」




瑞希お兄ちゃんみたいにメンチをきれば、そう言った男の1人が黙る。







「文句はないみたいだね?じゃあ、ごきげんよう。」






低い声で脅すように言って、私は歩き出した。






(歩道に入ったら、ダッシュで逃げよう!)






道路の真ん中を、ちょこちょこ歩きながら思う。

この場でダッシュしてもいいけど、それじゃあかっこつかないいよね?







(瑞希お兄ちゃん達が見れば、またハムスターみたいって言われそうだし。まぁ、そうやって『瑞希お兄ちゃんに』いじられのは嫌じゃないんだけどね~)






だから、少しだけ見栄を張った。

でも、それがよくなかった。