彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)






すがすがしい笑顔で言う少女に、私は、ちょっと、ちょっと言いながらツッコミを入れずにはいられなかった。




「待ってよ、高千穂さん!病院じゃなくて、大嵐山に円城寺君を連れて行くっていうのはー・・・!?」

「ありがてぇ・・・!地獄に仏とはこのことだ!大河を頼んだぜ!」




笑顔は素敵だったが、彼女のつむぐ言葉はよろしくない。



「いやいや!勝手に頼まないでよ!引き受けてないよ、私!?」



否定しながら言うが、高千穂さんの暴走は止まらない。




「2ケツできないわけじゃないが、この状態で、大河をケツに乗せて運ぶのは不安でよ!助かるわ!」

「病院へ運ぼうよ!?病院なら、私も連れて行ってあげてもいいけど、大嵐山っていうのは―――――!?」

「うんうん、大河を大嵐山へ連れていってくれるんだね!?それなら話が早い!!」

「ちょっとっ!?」


(こ・・・この女っ!!)



〔★カンナは、凛からの話を都合よく解釈した★〕



「まぁ聞けよ!段取りはこうだ!」



私の会話を途中で遮断すると、声を潜めながら言ってきた。



「あたしが、庄倉の手勢をひきつける。その間にあんたは、大河を大嵐山まで運んでくれ・・・!それで万事OK・・・!」

「OKじゃないよ!?勝手に計画立てないでよ!ホント何言ってるの高千穂さん!?引き受けるなんて一言も言ってないよ!?」

「カンナって呼べよ、水くせぇ!あんたに任せれば、大河も安心だよ・・・」

「任せるって・・・押しつてるよね!?どう考えても、私に押しつけてるよね!?」

「ふんふーん♪」

「こ・・・」


(この女ぁぁぁ~・・・!!)



〔★カンナは、凛からの都合の悪い話をスルーした★〕
〔★カンナは、都合の悪い話は遮断している★〕



「そんな・・・!」


冗談じゃない!!



「ダメ!!!」




このままじゃ流される!



(巻き込まれる!)



怪我人の怪我を増やすような真似をさせられる。





「ダメだ!!」


「なっ・・・・!?」

「お前もこいつも行先は病院だ!それ以外は許さないっ!!」





赤や青の痣がついている手を掴み、引っ張りながら【叱った】





「それ以外は、どんな理由がっても許しません!!」





お母さんになったつもりで少女を怒った。

きつく睨んで、掴んだ手も握りしめた。

それで、ふざけていた高千穂さんの顔が固まる。

凍り付く。

しかし、すぐにハッとしながら我に返ると、睨みながら口を開いた。




「ざ、ざけんな!あたしは、指図なんかー」

「指図は受けない!!」

「だ、だから、お前がそれー」

「君がそれを言うな!!」

「でもっ・・・」



「ダメだ。いいね?」





無表情で、切り捨てるように告げる。

申し訳ないけど、悪いけど、ごめんねなど、そんな言葉はつけない。

小さい子供を相手にするように、隙を与えないように厳しく言った。

同時に、お医者さんに見せるため、掴んだ腕を引いて行こうとしたのだが・・・






「んなぁん・・・・あたしだってダメぇ!!」

「わっ!?」





叫んだと思った時、彼女に抱き付かれていた。