(とはいえ、いつまでも逃げてちゃだめだよね・・・)
「やれ、岡田!」
「先輩、八つ裂きにしちまえ!」
「死ねクソガキ!」
私達を囲み、円陣を作った周囲。
私が奴の刀をよければよけるほど、その距離が縮まる。
(周囲から、私を追い込んで逃がさないようにする気ね!?)
性格のゆがんだ連中だと思った時ーーーー
「オラ、もらった!」
「あっ!?」
ーーーーザシュッ!!
片頬に外気が触れる。
「くっ!?」
「チッ!はずれかよ!?」
「どうかな・・・!?」
岡田の刀の先が、私の口元を覆うマスクをかすめた。
左側のバンダナ生地が破れる。
ダランと、一部分がめくれる。
(皮膚はえぐられてない・・・!)
汗をぬぐう動作で、さけた部分を触る。
(危なかった!顔に傷でもつけられたら、お母さんたちになんて言われるか!)
〔★気にする点がズレていた★〕
「どうした!?顔色悪いぞ!?降参か!?」
そんなことを考えていれば、調子に乗った岡田が挑発してきた。
「降参はしない。」
相手の問いに素早く答えると、ぬぐった手を振ってから言った。
「あのさ!ちょっと申し訳ないんだけど~!」
「あん!?今度こそ、命乞いか!?」
「そうじゃなくて!」
同じセリフしか言わない相手に、飽き飽きしながら私は告げる。
「君の太刀筋(たちすじ)がさー下手なんだよね!」
「・・・・はあ?」
「だから~荒くて見きれないんだよ!もっと、綺麗に攻撃できないの!?」
〔☆よい子のためのワンポイント解説☆〕
太刀筋(たちすじ):刀の使い方のことだよ♪
(防ぐにしても、このままじゃ相手にまで怪我させちゃう!庄倉倒した時みたいになったら面倒だもんねー)
そう思って、指摘したこと。
これに岡田は、なぜか唇を震わせ始める。


