彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



ただならぬ様子の女の子に、私の心臓がはね上がる。



「高千穂さん!?しっかり!しっかりしてください!」

「このままじゃ、あたし・・・うう・・・なにもできない・・・」

「しなくていいです!無理しないでください!こんな怪我をしてるんです!あなたは病院へ行きましょう!」

「でも、あたしがここでリタイアしたら、大河が!」

「大丈夫です!なんとかなります!」



弱弱しい声で言われ、励ますために強い口調で言った。




「円城寺君は大丈夫です。高千穂さんは、自分のことに専念してください。」

「・・・いいのか?」

「当然です!」





そう言いながら、体を優しく支えれば、ふいに抱き付かれる。





「・・・ありがとう。」





耳元で響く声に安堵する。

これでやっと、病院へ行く気になってくれたのだと思う。




「いいんですよ。そうと決まれば、ここから近い病院にー」

「あたしはここまでだが・・・くっ・・・!初対面のあんたがそこまで言ってくれるんなら、心置きなく任せられる・・・」

「え?そんな大げさにしなくていいですよ?病院ぐらい連れていってあげますから!?」

「いいのか・・・?」

「うん!もちろんだよ!こんな状態で・・・放っては、おけない。」




円城寺君もひどいが、彼女の怪我もひどい。






(瑞希お兄ちゃんだって、こういう時は助けなさいって言いそうだもん!)





そんな思いで援助を申し出たら、苦笑いしながら言われた。





「マジありがとう・・」

「うん。」

「運んでくれて助かる・・・!」

「うん。」


「大河を大嵐山まで、連れていってくれるなんて本当に感謝してる・・・!」

「ん?」



・・・大河?

大嵐山?

あれ?






「・・・・・・・・高千穂さん、今なんて・・・・?」





聞えてきた言葉に、一瞬の沈黙の後で聞いたら言われた。





「大河を、『大嵐山の工場跡地』に連れてく役目を引き受けてくれて、ほんとーにありがとう~!!」


「病院じゃなくて―――――――!!?」




〔★行先と連れていく相手が変わっていた★〕